LWB-24 / LWB-72

オタリ「LWB(Lightwinder Broadcasting)」は中継放送制作での使用に向けた様々な信号を光ファイバーを介して伝送する機器シリーズです。
マイク信号の入力(ゲイン調節可能なヘッドアンプを搭載)やラインレベルのアナログ信号の入出力、デジタル信号(AES3)の入出力、MADI(AES10)信号(64ch I/O@Fs=48 kHz)の入出力や、インターカム信号(2線および4線方式)3GまでのSDIビデオ(およびエンベデッド・オーディオ)信号、ARCNETなどのスイッチャー・リモート制御信号やRS422/485のシリアル制御信号、SWハブ機能付GbE(ギガビット・イーサネット/TCP/IP準拠)GPI(INまたはOUT)を1対の光ファイバー・ケーブル(主に光カメラ複合ケーブル)で伝送します。
光カメラ複合ケーブル仕様モデルでは接続先のLWB動作用に給電でき、周辺機器用のAC電源も利用可能です。
ベース・ユニット(シャーシ)は、放送席やフィールドでの使用を想定した前面入出力で軽量置き型の「LWB-24」と中継車や可搬ラック実装を想定したラックマウント型の「LWB-72」をご用意し、運用に適したモデルを選択可能としました。どちらのユニットもモジュラー形式になっており、挿入するモジュールを適切に選択することによって,信号の種別の構成変更を柔軟に行えます。
* 上記機能の一部にはオプションが含まれます
スタジアムや広大なフィールドをカバーする24台接続 / 2,048チャンネル伝送
最大接続ユニット数は16台(旧モデル)から24台に、音声の最大伝送チャンネル数は256(旧モデル)から2,048チャンネル(Fs=48 kHz,モノラル換算)に大幅に増強されました。
旧モデルでは制約を受けた大型の中継放送制作にも余裕をもって対応でき、大型スタジアム全体や全18ホールと放送センター・サイトとの中継が必要なゴルフ中継制作の要求にも1つのシステムとして取り扱うことができます。
また「LWB-24」は、旧モデル「LWB-16M」と同等サイズのまま、モジュール・スロット数を「LWB-16M」の5から6へ強化しました。
LWB-24 構成例
LWB-72 構成例
新たな可能性をもたらすステレオ・ペア単位でのサンプリング周波数設定
サンプリング周波数は48 kHz、96 kHz、192 kHzを選択可能。従来機ではサンプリング周波数はシステム全体が同一クロックである制約がありましたが、新たにオーディオ・モジュールのステレオ・ペア(奇数/偶数チャンネル)単位で上記3種からの選択に対応しています(量子化スケールは24ビット固定,クロック設定によって利用できる音声チャンネル数は変動します)*
上記の新機能を利用し、例えば特定のモジュールまたは2つのチャンネルのみを192 kHzサンプリングとしたハイレゾ・オーディオの収録/配信、他のモジュール/チャンネルは48 kHzサンプリングとして放送用音声を同時に伝送する、あるいは放送用ミキシング(48kHzサンプリング)の他にアーカイブ/収録後に別工程でミキシングするためのマルチトラック録音用音声(96 kHzサンプリング)の伝送など、2次利用目的にも使用できる可能性が加わりました*
* サンプリング周波数は個別に設定できますが、いずれの音声も内部のクロックに同期しますので、非同期の利用はできません
マルチドロップ・ルーティング可能な内蔵4チャンネルHD-SDI映像モジュール
マルチドロップ・ルーティング(下記)可能な内蔵4チャンネルHD-SDI映像モジュールが実装されました。
このモジュールは、入出力を個別に設定可能な4チャンネルHD-SDI信号を取り扱え、最大で4チャンネルのHD-SDI(1080i)信号を伝送できます。また、設定により、2チャンネルの3G-SDI(1080p)伝送も可能です(択一設定)なお、映像信号の入力時には、映像信号の同期源から分配された同期信号をLWBの同期源に設定することが必要です。
音声信号と同様に1対多のマルチドロップ・ルーティング(従来の1対1の伝送ではなく、3台以上で使用時にも音声と同様に任意のLWBへ出力)にも対応し、中継車映像を各中継先に分配することや本体内部にルーティングすることでVDAとしても利用できます。
また、対応するMAINモジュールを搭載した型式(LWB-24H,LWB-72H)では、エンベデッド・オーディオが他の音声信号と同様に扱え、エンベデッド/ディエンベデッドの機能により、他の音声チャンネルと相互にルーティングすることも可能です。
シグナル・ディレイ機能
シグナル・ディレイ機能が標準で搭載されています。1台のLWBに2つのシグナル・ディレイ機能を有し、2種の遅延時間をそれぞれ64入出力、設定できます。ディレイタイムは遠隔地中継による伝送遅延にも耐えうる約5秒まで設定可能です。
マトリクス・ミキサー機能(* 将来対応)
マトリクス・ミキサー機能は今後のアップデートによる搭載が予定されています。マトリクス・ミキサーは任意のチャンネルに接続できますので、LINE INモジュールやLINE OUTモジュール等を利用して連絡系統のルーティングやモニター出力を設定することが可能です。仕様の詳細は、進捗状況を見てお知らせいたします。
細部まで利便性を追求した仕様
旧型機では仕様上の制限から実装できなかったご要望を反映させ、これからの「LWB」に必要と考えられる機能を細部にまで多数取り入れた仕様となっています。
スイッチング・ハブ機能を有するGbE(ギガビット・イーサネット)伝送、内部電源を含む電源監視、視認性の高い選択式の音声レベル・メーター、入力と異なる同期信号の出力(例:入力=NTSC,出力=PAL)入力同期クロック・ホールド(同期入力が失われた場合に直前の同期信号を利用して自走する)機能、回線チェックに便利なトーン・ジェネレーター、対応するMAINモジュールを搭載した型式(LWB-24H,LWB-72H)では、モジュール・スロットを消費することなくMADI入出力1系統を利用可能としました。
フロント・パネルの表示器には128×128ドット有機ELディスプレイを採用することでローカル操作を容易にし、GUIアプリケーション「LwcV3」については,複数のユニットにPCを接続して、それぞれのPCで同時に起動できるなど、コントロール/モニター面でも高い利便性を実現します。
互換性/新モジュール/レトロフィット・キット
「LWB-24」/「LWB-72」にはLWB-16M/LWB-64用のモジュールを装着することが可能です。
* 当該モジュールのファームウェア(FPGAプログラム)のアップデートが必要です。また、1ユニット当たりの取り扱いチャンネル数に制限があります
* LWB-64専用モジュール(背面接続型)は、LWB-24への装着はできません
下記新モジュールが発売されます。新モジュールはサンプリング周波数192 kHzに対応します。
* LWB-16M/LWB-64に装着することはできませんので、十分ご注意ください
・「LWB-24」用8チャンネル・モジュール(前面にD-subコネクターを装備)
・高音質LINE OUTモジュール
・入出力切替式AES3モジュール
その他、新規モジュールも計画中です。
旧型機種 LWB-16M/LWB-64をLWB-24/LWB-72と接続するために、レトロフィット・キットが設定されます。旧型機種にLWB-24/LWB-72のモジュールを実装することはできませんが、新旧の両機種を同一ネットワークに混在させ、信号の入出力が可能となります。
* LWB-24/LWB-72の全機能が利用できるわけではありません
* レトロフィット対応は工場での預かり作業となります
LWB-24/LWB-72用新規音声モジュール
MIC IN[CB-7DL]:4CHマイク入力(前面XLR×4) | LINE IN[CB-7DP]:8CHライン入力(前面D-sub 25F×1) |
LINE OUT[CB-7DS]:4CH高音質ライン出力(前面XLR×4) | LINE OUT[CB-7DT]:8CHライン出力(前面D-sub 25F×1) |
AES3 I/O[CB-7DW]:8CH AES3入出力(前面BNC×4) | AES3 I/O[CB-7DX]:8CH AES3入出力(前面D-sub 25F×1) |
MIC IN[CB-7DM]:4CHマイク入力(背面D-sub 25F×1) | LINE IN[CB-7DR]:8CHライン入力(背面D-sub 25F×1) |
LINE OUT[CB-7DU]:4CH高音質ライン出力(背面D-sub 25F×1) | LINE OUT[CB-7DV]:8CHライン出力(背面D-sub 25F×1) |
AES3 I/O[CB-7DY]:8CH AES3入出力(背面BNC×4/D-sub 25F×1) |
LWB-24/LWB-72で使用可能なレガシー・モジュール(モジュールのファームウェア・アップデートが必要)
MIC IN[CB-7AZ]:4CHマイク入力(前面XLR×4) | LINE IN[CB-7AX]:4CHライン入力(前面XLR×4) |
LINE OUT[CB-7AY]:4CHライン出力(前面XLR×4) | AES3id IN[CB-7BA]:4CH AES3id入力(前面BNC×2) |
AES3id OUT[CB-7BB]:4CH AES3id出力(前面BNC×2) | AES3 IN/OUT[CB-7BR]:2CH AES3入出力(前面XLR×2) |
2-WIRE INTERCOM[CB-79P]*:2Wインカム(前面XLR×2) | 2-WIRE INTERCOM[CB-7BM]*:2Wインカム(前面XLR×2) |
4-WIRE INTERCOM[CB-7BN]:4Wインカム(前面XLR×4) | MADI IF.[CB-7CL]:MADIインターフェイス(前面OPT/BNC×2) |
COMM.[CB-7BXA]:コミュニケーション(前面EtherCon®×2) | MIC IN[CB-79LA]:4CHマイク入力(背面D-sub 25F×1) |
LINE IN[CB-79JA]:8CHライン入力(背面D-sub 25F×1) | LINE OUT[CB-79KA]:8CHライン出力(背面D-sub 25F×1) |
AES3 IN[CB-79M]:8CH AES3入力(背面BNC×4/D-sub 25F×1) | AES3 OUT[CB-79N]:8CH AES3出力(背面BNC×4/背面D-sub 25F×1) |
AES3 IN/OUT[CB-7BS]:4CH AES3入出力(前面BNC×4/背面D-sub 25F×1) | 4-WIRE INTERCOM[CB-7BP]:4Wインカム(背面D-sub 25F×1) |
MADI IF.[CB-7CM]:MADIインターフェイス(背面BNC/OPT×2) | COMM.[CB-7BYA]:コミュニケーション(背面EtherCon®×2) |
*)背面D-sub 25F接続タイプあり
LWB-24/LWB-72で使用可能なレガシー・モジュール(要モジュールのファームウェア更新)対応済みのものには前面に「LWB」シールが貼られます
その他「LWB-16M/LWB-64との主な仕様/機能の比較」をカタログに掲載しております。
LWB-24 外観図
LWB-72 外観図
ラックマウント・アングルは15 mm,30 mm,60 mmの落とし込みマウントに対応可能
資料ダウンロード
その他の OTARI
イベント情報
-
---
現在、更新情報はありません。
サポート情報
-
---
現在、更新情報はありません。
更新情報
-
---
現在、更新情報はありません。