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ベルギーのRTBFが新時代のフルIP OBトレーラーを2台導入

ベルギーのRTBFが新時代のフルIP OBトレーラーを2台導入

2020年4月上旬、ベルギーのフランス語圏コミュニティ向けの公共放送局RTBFは、2台の画期的なフルIP OBトレーラーを発注し1台目が納入されました。

新型コロナの影響で全長12mのこのトレーラーはTeam Viewerと複数のWebカメラ、マイクをVPN接続してコンフィグレーションを行い、納期通りに納車されました。同仕様で製作される2台目は7月1日に納車されます。

このプロジェクトはNEPベルギーのGeert ThoelenとLAWOのDirk Sykoraによってすすめられ、ドイツのBroadcast Solutionsが製作を担当しRTBFに8年間リースされます。

この2台の中継車には、100 GbpsのAristaネットワークコア(audio, video and matrix)が搭載されており、LawoのV__matrix C100コアエンジンを中心に、SDIおよびIPベースのビデオとオーディオの入出力、およびプロセッシングを行います。
Sony XVS-8000 IPビジョンミキサーには、16台のSonyカメラが接続されコントロールされます。 Sony Live System Managerは、必要に応じてLAWOのVSMとNMOS-IS04/05プロトコルに制御インターフェースを提供します。LSMによりこのコロナ禍でヨーロッパ中がロックダウンされている中でもエンジニアは自宅からスイッチャーネットワークにリモートでアクセスして、IPルーティングとXVSのセットアップを行う事ができました。

各トレーラーにはマルチビューワーとして、V__matrix C100コアエンジンにインストールされた36式のvm_dmv(ディストリビューテッド・マルチビューワー)ヘッドが実装され、LAWOのVSM IPブロードキャストコントローラーでマネージメントされます。

このトレーラーには48フェーダーのmc²56オーディオコンソールと512DSPチャンネルの処理能力を持つA__UHDコアを使用してすべてのオーディオフォーマット(アナログ、AES3、SRC付きMADI、SRC付きDanteおよびAES67 / RAVENNA)をサポートします。
オーディオおよびビデオ信号のI/Oエッジデバイスは、V__matrixサイレントフレームとA__mic8 HAユニットを備えた6式のビデオステージボックスを用意。オーディオ専用にはI/Oカードをフル実装したPower Coreユニットを8台実装したステージボックスを2式、DALLIS I/Oフレームを装備した2つのステージボックスがあり、ハイクオリティーな音質の128回線のマイク信号がすべてST2110規格で運用されます。

NEPベルギーのGeert ThoelenとMaxime Delobeは、本プロジェクトの仕様書を検討する中で、RTBFが非常に効率的で将来性のある「dream trucks」を期待していることに気付きました。IPバックボーンが指定されていることを考えて2台の車両をビデオ用にST2110-20、オーディオ用にST2110-30をベースに設計することを提案しました。

LAWOのDirk Sykoraのコメント:「ドルビーEとの互換性の要求に応えて、LAWOはすべてのオーディオストリームをST2110-31形式でも利用できるようにすることを提案しました。このOBトラックは、24ビットと32ビットの両方のオーディオニーズに対応します。ST2110-30またはST2110-31オーディオストリームの設定は、VSMのソフトまたはハードウェアパネルの釦を押すだけで選択できます」
Geert Thoelen氏は更に「このユーザーフレンドリーなLAWOのアプローチにより、次の作業に要する時間とコストのかかるシステムの再構成が不要になります」と付け加えます。

RTBFのNew IP Outside Broadcastプロジェクトマネージャー、Olivier Malevez氏のコメント:「2台の同じOBトラックは大きなイベント時には1つの大型システムとして使用することを想定します。もちろん単独のスタンドアロントラックとして、6台のカメラの割り当てでカバーできるコンパクトなプログラムから、大型のライブコンサートやスポーツイベントまですべてのアプリケーションをカバーします。この2台のOBトラックは、SDIまたはIPを介してRTBFの放送センターにドッキングできます」

更にRTBFのHead of Technology Operations and Distribution、Jean Vanbraekel氏は「制作プログラムがピークの時はこの2台のOBトラックは ” 新たなコントロールルーム ”としても機能します」と付け加えます。

ブロードキャストソリューションは100G Aristaネットワークコアの構築と最初のフルIP OBトラックの設計と納品にを進めるには2つの課題がありました。ひとつはSMPTE2110対応の機器のシステム実装と、もうひとつは世界中がcovid-19でロックダウンされている中で、納期に間に合わせることです。

Broadcast SolutionsのプロジェクトリーダーであるMatthias Hahn氏のコメント:「Broadcast Solutionsのチームは、スムーズなプロジェクトの進行の為に必要なIPインフラを新たに構築することにより、この困難な課題を解決しました」

LawoのDirk Sykoraのコメント:「ソフトウェアー定義のV__matrixプラットフォームが広範な機能と柔軟性を提供することで、迅速かつ効果的なシステムを構築する事ができました。どちらのHDトラックも4K / UHD対応ですが、これはV__Matrixに実装されたC100プロセッサーのタスクを変更するだけのシンプルな事でした」

ソニーのアカウントマネージャーであるDaan Herreman氏のコメント:「我々がRTBFとNEPベルギーと長年にわたり信頼できる革新的なテクノロジーパートナーとして認められて、このユニークなIPプロジェクトに選ばれたことを嬉しく思います。ソニーはお客様に必要な相互運用性を提供するために、オープンスタンダードのSMPTE ST2110およびAMWA NMOSシリーズを完全にサポートできます」

NEPベルギーのGeert Thoelen氏のコメント:「RTBFの2つの新しいOBトレーラーは、最も先進的な中継車の1つであり、NEPが一貫して取り組む最新のテクノロジーを実装しています。相互の信頼と革新に基づいて新たな関係を構築することは、常にNEPの活動の中心でした。 このRTBFのST2110ベースのOBトレーラーアプローチは、中継車のリソース管理にもフレキシブルに対応出来ます」

RTBFのCIO CécileGonfroid氏のコメント:

「NEPベルギーとの協業で得たガイダンス、提案はとても貴重でありRTBFの大きさ財産となりました。 2台のフルIP OBトラックはMedia Squareファシリティー構築の最初のステップと考えています」

NEPベルギーについて

NEPベルギーは、クライアントが素晴らしい作品を提供できるように技術、専門知識、グローバルネットワークを提供・支援しています。
放送やライブイベントの業界をリードする技術ソリューションと、コンテンツを管理するためのメディアソリューションを幅広く提供しています。世界有数の放送局の配信業務においてNEPはそのソリューションを提供します。この新しいOBトラックの詳細については、www.nepbelgium.beからご覧ください。

Broadcast Solutionsについて

Broadcast SolutionsはドイツのBingenに本社を置き、ヨーロッパ、中東、アフリカにおいてメディアテクノロジーおよびシステムインテグレーションを提供しています。放送局、制作会社だけでなく企業や政府機関向けてモバイル設備、固定設備およびハイブリッドシステムのインストールを行っています。

設立から15年以上の営業実績からいまではドイツだけでなく英国、スカンジナビア、ウクライナ、ロシア、アラブ首長国連邦、シンガポールにオフィスを構えています。

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