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第6回 放送用コントローラーとオーケストレーター:DataMinerの役割

前回の振り返り

  • 監視は単なる異常検知にとどまらず、番組やサービスの状態と連動した「サービス意識のある監視」へと進化
  • プロアクティブな監視により、問題の予兆検知や影響範囲の可視化が可能
  • SDN/BCコントローラーとも連携し、信号フローとUIの整合性を維持

前回は、監視の進化と全体的な運用整合性の重要性について見てきました。
この最終回では、シリーズ全体を通じて登場した機能群をひとつの統合プラットフォームとして提供できる「DataMiner」に焦点を当てて見ていきます。

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DataMinerは、SkylineCommunicationsが開発するサービスオーケストレーションプラットフォームであり、以下のすべてのステップにまたがって活用可能です:

  • オンボーディング(検出と登録)
  • プラン(予約とテンプレート割当)
  • 制御(初期設定と実行時操作)
  • 監視(状態の可視化とアラート)

さらに、DataMinerはブロードキャストコントローラーやSDNコントローラーの役割を兼ねることも可能です。

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SDNコントローラーとしてのDataMiner

スケジュールされた自動切り替え

  • 事前に定義されたタイミングで信号接続を実行
  • 任意のトポロジー(スパインリーフ、マルチサイト等)に対応

DataMiner MediaOps – Scheduling

アドホック切替時の制御タイミング比較

  • ノンブロッキングなIGMPネットワークで即時接続
  • 外部パネルやソフトUIからの操作に即応

DataMinerによるSDN構成(SDN構成全体と、ノンブロッキングIGMPルーティング下での制御構造)

  • ネットワークの帯域やフローパスもDataMinerが直接制御
  • ブロッキング環境では接続に数秒の遅延が生じる場合もある
  • Cisco IPFMやArista MCSとの統合も可能

決定論的かつフレーム精度の高いスイッチング

  • プレイアウトなど、時間精度が重要な場面では外部SDNコントローラーと連携
  • フレーム単位での遅延をコントロールする必要があるケースに対応

ブロードキャストコントローラーとしてのDataMiner

  • ラベル、UMD、信号グループ、タリーなどの制御に対応
  • 複数のSDIルーターやSDNスイッチを仮想マトリクスとして統合管理
  • RiedelやDensitronなどの外部ハードウェア制御パネルとの接続も可能

DataMiner MediaOps – Workflow Designer

リアルタイム制御とプロファイル活用

  • HTML5ベースのUIやVisioビューを通じて直感的な制御が可能
  • 制御プロファイルにより、マルチベンダー機器でも共通インターフェースで操作できる

例:
ゲートウェイのビットレート制御

  • 映像遅延やオーディオレベルの微調整

DataMinerは従来の枠を超え、上位レイヤーとして包括的な役割を担う

DataMinerは、単に制御を実行するだけでなく、運用・設備・人的リソースを含む全体の構成管理レイヤーとして機能します。

また、単体でオーケストレーション+制御をすべて担えますが、既存のSDN/ブロードキャストコントローラーと連携する構成も柔軟に対応可能です。

柔軟な構成対応:

  • 単体でのフル統合
  • SDN/BCコントローラーとの連携型

非技術リソースも管理可能:

  • オペレーターのシフト
  • 中継車やスタジオのスケジューリング
  • プロジェクト単位での人・設備・サービスの統合
図:DataMinerによる人的・物理・IPリソースの統合イメージ

このようにDataMinerは、単なる制御ツールやネットワークコントローラーの枠を超え、放送運用全体を横断的に統合・調整できるプラットフォームとして活用できます。

今回のまとめ

  • DataMinerは、放送オーケストレーションの4ステップすべてを統合的に管理できる
  • SDN/BCの両方の機能を内包し、フル構成・連携構成どちらにも対応可能
  • 制御・監視だけでなく、人や設備など運用要素も一括管理できる
  • プロファイルによるベンダー抽象化、UI制御による現場連携もスムーズに行える
  • 単なるツールではなく、「上位サービスレイヤー」としての中心的役割を果たす

結論

DataMinerは、単なる制御ツールではなく、IPベースの放送環境全体を俯瞰して管理するための中核プラットフォームです。その柔軟性とスケーラビリティは、規模・要件の異なる放送局にとって、最適な形で導入できる大きな強みとなるでしょう。

次回(番外編・第7回)は、DataMiner導入時によくある実務的な質問や相談内容について、FAQ形式で解説します。

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