LWB-24 / LWB-72
中継放送制作を主なターゲットにした
さまざまな信号を光ファイバーを介して伝送するシステム
OTARI「LWB(Lightwinder Broadcasting)」
非同期映像伝送対応モデル「LWB-24A/LWB–72A」リリース
2023年4月1日発売 受注開始
マイク信号の入力(ゲイン調節可能なヘッドアンプを搭載)やラインレベルのアナログ信号の入出力、AES3やMADI(AES10)信号(*1)(64ch I/O@Fs=48 kHz)などデジタル信号の入出力や、インターカム信号(2線および4線方式)、3GまでのSDIビデオ(およびエンベデッド・オーディオ)信号、さらにARCNETなどのスイッチャー・リモート制御信号やRS422/485のシリアル制御信号、SWハブ機能付GbE(ギガビット・イーサネット/TCP/IP準拠)、GPI信号(*1) を光ファイバー・ケーブル(主に光カメラ複合ケーブル)で伝送します。
光カメラ複合ケーブル仕様のモデルでは、接続先のLWBに給電することができ、出先の周辺機器用のAC電源としても利用可能です(最大3A:LWB 2台接続時)。
ベース・ユニット(シャーシ)は、放送席やフィールドでの使用を想定した前面入出力で軽量置き型の「LWB-24」と中継車や可搬ラック実装を想定したラックマウント型の「LWB-72」(*2)を用意し、運用に適したモデルを選択可能としました。どちらのユニットもモジュラー形式になっており、装着するモジュールを選択することによって、取り扱う信号の種別を柔軟に変更できます。
*1 上記機能はオプションです。
*2 LWB-24/72シリーズには、LWB-24/24H/24A/16S、LWB-72/72H/72A/64Sがありますが、LWB-24、LWB-72と記した場合は、LWB-24シリーズ、LWB-72シリーズを指しています。
スタジアムや広大なフィールドをカバーする24台接続 / 2,048チャンネル伝送
最大接続ユニット数は24台、音声の最大伝送チャンネル数は2,048チャンネル(Fs=48 kHz,モノラル換算)となっており、大型の中継放送制作にも余裕をもって対応することができます。例えば、大型スタジアム全体や全18ホールと放送センター・サイトとの中継が必要なゴルフ中継制作の要求にも、1つのシステムとして取り扱うことが可能です。
LWB-24 構成例
LWB-72 構成例
用途の広がるステレオ・ペア単位でのサンプリング周波数設定
サンプリング周波数は48 kHz、96 kHz、192 kHzを選択可能。オーディオ・モジュールはステレオ・ペア(奇数/偶数チャンネル)単位で上記3種からサンプリング周波数を選択することができます(8チャンネル LINE OUT モジュールはモジュール単位で選択)
この機能を利用すれば、例えば特定のモジュール/チャンネルのみを192 kHzサンプリングとしたハイレゾ・オーディオの収録/配信、他のモジュール/チャンネルを48 kHzサンプリングとした放送用音声とする使い方、あるいは放送用ミキシング(48kHzサンプリング)とアーカイブや収録後にミキシングするためのマルチトラック録音用音声(96 kHzサンプリング)の同時伝送など、機材を増やさずに用途を広げることができます。
* サンプリング周波数は個別に設定できますが、いずれの音声も内部のクロックに同期しますので、非同期の利用はできません。
マルチドロップ・ルーティング可能な内蔵4チャンネルHD-SDI映像モジュール
マルチドロップ・ルーティング(下記)可能な内蔵4チャンネルHD-SDI映像モジュールが実装されています。
このモジュールは、入出力を個別に設定可能な4チャンネルHD-SDI信号を取り扱え、最大で4チャンネルのHD-SDI(1080i)信号を伝送できます。また、設定により、2チャンネルの3G-SDI(1080p)伝送も可能です(択一設定)。なおLWB-24A/72A以外のLWBに映像を出力する場合、映像信号の同期源から分配された同期信号を、LWBの同期源に設定することが必要です。
音声信号と同様に1対多のマルチドロップ・ルーティング(1つの映像を2台以上の任意のLWBへ出力)にも対応し、中継車画像を各中継先に分配することや本部内部にルーティングすることで、VDAとしても利用できます。
非同期のSDI信号の扱いについても、LWB-24A/72Aであれば、そのまま入力、伝達、出力することができます。*
*フレームシンクロナイザーは内蔵していません。LWB-24/24H/16S/72/72H/64Sは非同期SDI信号の入力と伝送にのみ、対応しています(ファームウェアのアップデートが必要です)。
またLWB-24A/24H,LWB-72A/72Hでは、エンベデッド・オーディオが他の音声信号と同様に扱え、エンベデッド/ディエンベデッドの機能により、他の音声チャンネルと相互にルーティングすることが可能です。
シグナル・ディレイ機能
シグナル・ディレイ機能が標準で搭載されています。1台のLWBに2つのシグナル・ディレイ・モジュールを内臓、2種の遅延時間をそれぞれ64入出力、設定できます。ディレイタイムは遠隔地中継による伝送遅延にも耐えうる約5秒まで設定可能です。
マトリクス・ミキサー機能(* 将来対応)
マトリクス・ミキサー機能は今後のバージョンアップによる搭載が予定されています。マトリクス・ミキサーは任意のチャンネルに接続できますので、LINE INモジュールやLINE OUTモジュール等を利用して連絡系統のルーティングやモニター出力を設定することが可能になります。
細部まで利便性を追求した仕様
1996年のLightwinderシリーズ発売以来培ってきた技術と経験をもとに、「LWB」に必要と考えられる機能を細部に渡り、多数取り入れた仕様となっています。
・内部電源を含む電源監視
・視認性の高い選択式の音声レベル・メーター
・入力と異なる同期信号の出力(例:入力=NTSC,出力=PAL)
・入力同期クロック・ホールド(同期入力が失われた場合に直前の同期信号を利用して自走する)機能
・回線チェックに便利なトーン・ジェネレーター
・内臓MADI入出力モジュール(LWB-24H/24A/72H/72Aのみ搭載)
・128×128ドット有機ELディスプレイの採用
・目的に合わせて選べるオーディオ・モジュール(LWB-24用8チャンネル・モジュール、高質LINE OUTモジュール、入出力切替式AES3モジュール)
・「LWB-24」用8チャンネル・モジュール(前面にD-subコネクターを装備)
・高音質LINE OUTモジュール
・入出力切替式AES3モジュール
互換性(モジュール/レトロフィット・キット)
モジュール
LWB-24/LWB-72にはLWB-16M/LWB-64用のモジュールを装着することが可能です。
*当該モジュールのファームウェア(FPGAプログラム)のアップデートが必要です。また、1ユニット当たりの取り扱いチャンネル数に制限があり、サンプリング周波数の設定はユニット単位(48kHz、96kHzのみ)となります。
* LWB-64専用モジュール(背面接続型)は、LWB-24への装着はできません。
LWB-24/24H/24A、LWB-72/72H/72A用のモジュールは、チャンネルまたはモジュール単位でサンプリング周波数を設定でき、その周波数は192kHzまで対応しています。
* LWB-16M/LWB-64に装着することはできません。
レトロフィット・キット
LWB-16M/LWB-64をLWB-24/24H/24A、LWB-72/72H/72Aと接続するために、レトロフィット・キットを用意しています。
* レトロフィット対応をしたLWB-16MはLWB-16S、同じくLWB-64はLWB=64Sとなります。
* LWB-24/LWB-72シリーズの全機能が利用できるわけではありません。
* レトロフィット対応は工場での預かり作業となります。
* レトロフィット対応をしてもLWB-24/24H/24A、LWB-72/72H/72A用モジュールを装着することはできません。
LWBコメンタリー&コミュニケーション・システム
概説
LWBコメンタリー&コミュニケーション・システムは,LWBユニットに専用のモジュールを装着し、そこに操作ボックス(コメンタリー・ボックス=カフ端末等)を接続することによって、Lightwinderシステムにデジタル・コメンタリー・システム、連絡マトリクスの機能を追加するものです。
中継現場の音声と映像を中継車に集めることが主な用途であるLWBユニットにより,放送席のアナウンサーや解説者の声も中継車へ伝送できるようになります。
本システムを導入することで現場のシステムが簡略化され、さらに作業効率の改善を図ることが可能になります。
・操作ボックスのチャンネルとオーディオ・モジュールのチャンネルとを任意にルーティング可能
・LWBユニットを1台のみ利用した小規模のシステムから,LWBユニット複数台を光ファイバー接続する中〜大規模なシステムまで柔軟に対応
・コメンタリー・ボックス本線のマイク・チャンネル・パラメーター(ゲイン等)の遠隔操作が可能
・ボックスをループ接続することにより、コメンタリーおよびコミュニケーション回線のダンダントが可能(各ボックスにバッテリー・パックを接続する必要あり)
・コメンタリー・ボックスの各チャンネルに設定されたパラメーターは再起動時に復元。
システム構成
LWBコメンタリー&コミュニケーション・システムは次の3つの機器で構成されます。
・LWBユニット: 1〜24台のLWBユニットの接続が可能。LWBユニットにはCOMM.モジュールの他、必要に応じてオーディオ・モジュール、インターカム・モジュールを装着して使用します。
・ COMM.モジュール: ボックス接続用のポート(RJ45)を2基装備したモジュール。COMM.モジュールとしては、1台のLWBユニットに装着できる数に制限はありません。
・ボックス: 以下の2種類を用意していますが、種類の異なるボックスを同じCOMM.モジュールに接続することはできません。オーディオ・モジュールのチャンネル同様、各ボックスのチャンネルにルーティングやチャンネル・パラメーターを設定して使用します。ボックスにより、1台のLWB、1つのCOMM.モジュールに接続できる最大数が異なります。1台のLWBに同じボックスIDの設定されたボックスを複数台接続することはできません。
コメンタリー・ボックス: アナウンサーやコメンテーターの使用を想定した、本線用出力チャンネルのあるカフ・ボックス(フェーダー付きまたはフェーダーなし。A、B 、 C 、 Dの4タイプ)
リモート・ボックス: ディレクターやプロデューサーの使用を想定した、本線用出力チャンネルがなく、スピーカー出力等を装備した指令機
LWB-24/LWB-72用新規音声モジュール
MIC IN[CB-7DL]:4CHマイク入力(前面XLR×4) | LINE IN[CB-7DP]:8CHライン入力(前面D-sub 25F×1) |
LINE OUT[CB-7DS]:4CH高音質ライン出力(前面XLR×4) | LINE OUT[CB-7DT]:8CHライン出力(前面D-sub 25F×1) |
AES3 I/O[CB-7DW]:8CH AES3入出力(前面BNC×4) | AES3 I/O[CB-7DX]:8CH AES3入出力(前面D-sub 25F×1) |
MIC IN[CB-7DM]:4CHマイク入力(背面D-sub 25F×1) | LINE IN[CB-7DR]:8CHライン入力(背面D-sub 25F×1) |
LINE OUT[CB-7DU]:4CH高音質ライン出力(背面D-sub 25F×1) | LINE OUT[CB-7DV]:8CHライン出力(背面D-sub 25F×1) |
AES3 I/O[CB-7DY]:8CH AES3入出力(背面BNC×4/D-sub 25F×1) |
LWB-24/LWB-72で使用可能なレガシー・モジュール(モジュールのファームウェア・アップデートが必要)
MIC IN[CB-7AZ]:4CHマイク入力(前面XLR×4) | LINE IN[CB-7AX]:4CHライン入力(前面XLR×4) |
LINE OUT[CB-7AY]:4CHライン出力(前面XLR×4) | AES3id IN[CB-7BA]:4CH AES3id入力(前面BNC×2) |
AES3id OUT[CB-7BB]:4CH AES3id出力(前面BNC×2) | AES3 IN/OUT[CB-7BR]:2CH AES3入出力(前面XLR×2) |
2-WIRE INTERCOM[CB-79P]*:2Wインカム(前面XLR×2) | 2-WIRE INTERCOM[CB-7BM]*:2Wインカム(前面XLR×2) |
4-WIRE INTERCOM[CB-7BN]:4Wインカム(前面XLR×4) | MADI IF.[CB-7CL]:MADIインターフェイス(前面OPT/BNC×2) |
COMM.[CB-7BXA]:コミュニケーション(前面EtherCon®×2) | MIC IN[CB-79LA]:4CHマイク入力(背面D-sub 25F×1) |
LINE IN[CB-79JA]:8CHライン入力(背面D-sub 25F×1) | LINE OUT[CB-79KA]:8CHライン出力(背面D-sub 25F×1) |
AES3 IN[CB-79M]:8CH AES3入力(背面BNC×4/D-sub 25F×1) | AES3 OUT[CB-79N]:8CH AES3出力(背面BNC×4/背面D-sub 25F×1) |
AES3 IN/OUT[CB-7BS]:4CH AES3入出力(前面BNC×4/背面D-sub 25F×1) | 4-WIRE INTERCOM[CB-7BP]:4Wインカム(背面D-sub 25F×1) |
MADI IF.[CB-7CM]:MADIインターフェイス(背面BNC/OPT×2) | COMM.[CB-7BYA]:コミュニケーション(背面EtherCon®×2) |
*)背面D-sub 25F接続タイプあり
LWB-24/LWB-72で使用可能なレガシー・モジュール(要モジュールのファームウェア更新)対応済みのものには前面に「LWB」シールが貼られます
その他「LWB-16M/LWB-64との主な仕様/機能の比較」をカタログに掲載しております。
LWB-24 外観図
LWB-72 外観図
ラックマウント・アングルは15 mm,30 mm,60 mmの落とし込みマウントに対応可能