Application Examples
1:屋内スポーツ競技の中継放送
ハンドボールやフィギュア・スケートのような屋内スポーツの中継放送の例です。アリーナ内のミックス席に「LWB-24」が置かれ、アリーナの外に駐車したOBバンに搭載されている「LWB-72」と光カメラ・ケーブルで接続されます。LWB-24 へはLWB-72 から光ケーブルを介して給電されています。
アナウンサーと解説者とインタビューの音声、インターカム、そしてモニター用画像はすべてミックス席のLWB-24 と接続されています。
この例ではRIEDEL社のインターカムとLWBとの接続には、AES3 IN/OUTモジュールを使用しています。
2:大規模陸上競技大会の中継放送
スタジアムからの国際陸上競技大会の中継放送に使う例です。
スタジアム内の放送席、ミックス・ゾーン(インタビュー・エリア)ディレクター席のそれぞれにLWB-24 を各1台置き、スタジアムの外に駐車したOBバン(中継センター)に搭載されているLWB-72 と光カメラ・ケーブルで接続します。
電源を得にくいフィールド内のLWB-24(ミックス・ゾーン)にはOBバンのLWB-72 から、光カメラ・ケーブルを介して電源を送っています。
3:ゴルフ・トーナメントの中継放送
LWB-24 はティー(T)やグリーン(G)近くの木陰やカメラ用イントレ(やぐら)の下に置かれ、LWB-72 は仮設の中継小屋やOBバン(中継センター)に設置されます。LWB-24 は全部で4台、LWB-72 は全部で6台使われています。
仮設小屋の中で各ホールの音声はミックスされて中継センターに伝送されます。各ポイントのミックス・エンジニアやアナウンサー、解説者のためには中継センターからPGMミックス音声ならびにモニター映像信号(この場合は2チャンネルのSDI)も伝送されます。各ポイント間ではコミュニケーションのためのインターカム信号も伝送されます。
インターカムは2ワイヤー方式と4ワイヤー方式が混在していますが、LWBには変換器等を要さずにそのまま接続できます。近くにコンセントがない出先のLWB-24 へは電源車や発電機からの給電を受けたLWB-72 から光カメラ・ケーブルを介して電源が供給されています。
このケースでは光カメラ・ケーブルによるループ接続ができていますのでユニット間の通信はリダンダント化されています。リダンダント化が必要でない場合は、中継の終了したホールから順次撤収可能です。あらかじめ撤収の段取りも決めておけば、試合が完全に終わるのを待つ必要がありませんので、TVクルーにとってはきわめて便利です。
4:ホールへの設置
LWBは中継用途をメインに設計されていますが、ホールや劇場などでの固定設備機材としても優れています。ここではオーケストラ・ピットを備えてオペラなどの上演も可能な音楽ホールへの設置例をご紹介します。
固定設備としては、各ユニットとも電源を取ることには困りませんので、電源伝送は不要です。そこで光カメラ・ケーブルに代えてOpticalConケーブルを使って各ユニットをつないでループを形成しています。OpticalConケーブルは直径が光カメラ・ケーブルよりも小さく、コネクターを抜いたときにはファイバー端が自動的にカバーされるという特長を備えています。
LWB-72 はオーケストラ・ピット内に1台、上手と下手の舞台袖のスピーカー・ラックに各1台、横付けされる中継放送や収録用車両のために搬入口近くに1台、そしてFOHコンソール用に2台が配置されます。LWB-24 は楽屋に置かれます。
音声信号以外には、舞台全景やピット内の指揮者を捉えるビデオ画像や、照明オペレーターと舞台監督との間など、リハーサルや上演中の舞台裏での重要なコミュニケーション用にインターカム信号も伝送します。