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「Touring Video」北米初のMediorNetを実装した制作トラックを運用開始
カリフォルニアのエンターテインメント制作サービス・プロバイダー「Touring Video Inc.」は、分散型ルーティングのコンセプトを取り入れた最新の制作トラック「TV-2」号にRiedelのMediorNetを搭載しました。
今までは機材をトラック内に恒久的に設置することが一般的でしたが、今回は今までのトラックとは違うコンセプトで設計されました。
「機材だけでなく、コントロールルーム全体も車外に持ち出すことが可能なように」
Touring Videoは分散型ルーティングをフル活用した「TV-2」を作って制作の柔軟性をまったく新しいレベルに高めました。
「TV-2」に搭載されたMediorNetシステムは、コア・ルーターMetroN 4台、MicroN 30台。
利用可能なMicroN Appには標準的なルーティングやマルチビューワー、そして単機能機材の排除に役立つ付加的な信号処理能力があります。
30台のMicroNデバイスの内、20台はStandard Appを装備し、8台はMultiViewer Appを使用し、2台はProcessing Appを使用します。Touring Video社はArtistとBoleroの長年のユーザーです。
この新しいトラックも例外ではなく、Artistメインフレームならびに「1200 Series」レバーキースマートパネルや「2300 Series」スマートパネルやBoleroワイヤレス・インカムを備えます。
番組のニーズがトラックの仕様を決めるスポーツ制作とは異なって、Touring Videoが得意とするエンターテインメント制作の要求内容は日々変わり得ます。
ある日の仕事はコンサート、翌日はTVのクイズ番組や授賞式かもしれません。
トラックはクライアントのニーズに合うように素早くセッティング変更できる必要があります。
最近のあるエンターテインメント番組ではコントロール・ルーム内に最高30人を必要としましたが、
コントロール・ルームをトラックの外に出して、ステージの近くに簡単に設置する機能が、制作の柔軟性に大きな違いを生み出しました。
これはルーターを分散することで可能になったのです。
コントロール・ルームのスペースはもう制約ではなくなり、2ndスイッチャーをスクリーン制御用に追加することも可能でした。オペレーター用の3つの特設席と追加制作スタッフは、TV-2の空きのできたコントロール・ルーム内にて容易に作業することができました。
舞台上の映像入出力は全部で96×96あり、音声はMADIならびに2系統のイーサネット経路を使用しました。
「MediorNetはこういった仕事を楽にしてくれました。
エンベデッド・ビデオから音声フィードを取り出し、それをMADIポートに、
そして音声卓へ繋ぐことを彼らは今までよりも素早くかつ簡単に行えたのです」
と、Riedel North America社システム・コンサルタントJeff Sullivanは語ります。
「MediorNetは6つの異なるプログラムにて、フィールド・テストを2ヶ月間行いました。
エンジニアたちはMediorNet無しでは上手くいかないにすぐに気が付きました。
彼らはあらゆる同期機能の使用法やタイムコード・オーバーレイを使うこと見出しました」
Touring Video社はルーティングと制御のためのオールインワン・ソリューションが必要でした。
しかしながら同社の制作クライアントたちは伝統的なスタイルのルーター・パネルを求めました。
その要求にはHIコントロール・システム(独Broadcast Solution社)が応え、ember+Pro-belと
HIコントロールとMediorNetとの間の共有ルーター・データベースを提供しました。
「私たちはハリウッドのエンターテインメント技術マネージャーやネットワーク・エンジニアの人々と一緒に仕事をしています」
と、Touring Video社社長Doug Armstrong氏。
「北米の中継市場ではMediorNetはあまり実績がなかったので、コアルーティング・システムとしてMediorNetを選ぶことは、思い切った決断でした。 しかし私はお客様が期待する独創的な作業スペースを、経費節減と作業軽減を行いながら、妥協なしに作ることができました」