DP548/DP544
Dynamic Audio Management
全体は単なる部分の和ではありません。「DP548」/「DP544」ダイナミック・オーディオ・マネジメントは「4 Series」製品の機能を引き継ぐだけではなく、入力には4台のD2ダイナミック・イコライザーに、そして出力には4台分(「DP544」は2台分)のC2コンプレッサー(8(4)系統の個別チャンネル)に等しいパワーと、新たなマトリクス・ミキシング・モードを提供します。「DP548」は4入力8出力で「DP544」は4入力4出力です。
「4 Series」の持っているあらゆる機能と音質は新たな DSP プラットフォームを用いて高められ「AudioCore」には今までなかった革新的な機能がいくつか追加されて,新たなダイナミック・コンビネーションが誕生しました。
DP548 / DP544 の主な機能
クリエイティブな要求だけではなく制御や補正面での必要性をも満足させるツールが満載されています。
各入力は xta 社の「GQ600」や「DN27」のような旧来のインダクター・ベースのデザインをシミュレートするように構成できる 28 バンド・グラフィック EQ を備えており「伝統的な」パラメトリック EQ の 8 バンドも装備しています。
全パラメトリック・セクションは様々なフィルター動作に再構成可能です。それにはお馴染みのハイシェルフおよびローシェルフとノッチ・フィルター、バンドパス、楕円および可変「Q」シェープ、2 度ステップの位相調整が含まれます。
これら周知のイコライザーに加えて、極めて強力なダイナミック・イコライザーがあります。各入力では 4 つの動作モードすべて(つまり、スレッショルド上または下でのカット/ブースト)をサポートする「SiDD」のダイナミック・イコライザーの 3 つのバンドが利用できます。各バンドは 20 Hz 〜 20 kHz の範囲をフルにカバーし、エンベロープ(アタック/リリース)や最大許容ゲイン調整量の設定ならびに効果の「強度(strength)」(ダイナミクス用語だとレシオ)の選択のためのコントロール類も備えています。
ダイナミック EQ およびグラフィック EQ 設定、他の全入力設定あるいは全出力設定、そして必要であればこれらの組み合わせを内蔵メモリーに保存可能です。
このような多数のパラメーターが威圧的に感じられることがあることを考慮して、それらはフロント・パネルからも変更可能ですが「AudioCore」を使って極めて直感的な方法でダイナミック・イコライゼーションを編集できるようにしてあります。
任意の入力や出力に切り替え可能な入力の組み合わせが使えますので、入力を出力にルーティングすることは以前と同様に柔軟で、スタート地点として便利なテンプレートも(そして役立つデフォルトのクロスオーバー・ポイントも)いろいろ用意されています。
「DP548」/「DP544」は入力を任意の比率で任意の出力にミックス可能なマトリクス・ミキシング・モードもサポートしており、各出力チャンネルは単なるオン/オフ切替ではなく 4 つの「センド」が利用できるようになっています。
出力セクションを見てみると、必要不可欠なクロスオーバー・フィルターは 6 dB/oct. から 48 dB/oct. までのスロープを提供し、パラメトリック EQ の 9 バンドがそれに続き、次に保護やクリエイティブな用途に便利なダイナミクスが来ます。
リミッター・セクションの手前には可変ニーを備えた機能フル装備のコンプレッサーがあり、それはハード・ニーを備えた安全な補正ツールからスレッショルドに近づいて超えるのに従ってその存在が段々と感じられるような穏やかな(しかし必要であればなおも高いレシオの)効果へと変更することができます。
リミッターの組み合わせも各出力の特長です:個々のドライバーをオーバーヒートから守るために設計されたリミッターと、安全性を高めるため、そしてドライバーが過振動するのを防止するための付加的なルックアヘッド「D-Max」リミッターとを組み合わせることができます。
さらに、タイム・アライメントを導入する際はミリメートルよりも細かな精度で全チャンネルを柔軟にグループ化できますので「DP548」/「DP544」はどんな状況においても要求を満たすことができることが分かります。
DP548 / DP544 仕様
入力 | 電子バランス式(トランスはオプション) 4-Seriesのどのユニットにも AES/EBU(選択可能)は標準装備です。 |
インピーダンス | > 10 kΩ |
CMRR | > 65 dB(50 Hz 〜 10 kHz) |
出力 | 電子バランス式(トランスはオプション) 4-Seriesのどのユニットにも AES/EBU は標準装備です。 |
ソース・インピーダンス | < 60 Ω |
最小負荷 | < 600 Ω |
最大レベル | +20 dBm(600 Ω 負荷) |
サンプル・レート | 最高 96 kHz(内部)192 kHz までを受け付けて変換可能。 |
周波数特性 | 10 Hz 〜 32 kHz ±0.5dB |
ダイナミック・レンジ | > 116 dB(20 Hz 〜 20 kHz,Unwtd) |
歪率 | < 0.001%(1 kHz,+10 dBm) |
最大ディレイ | 650 ms(0.325 μs ステップ) |
出力ゲイン調整範囲 | +15 dB 〜 -40 dB(0.1 dB ステップ)およびミュート |
イコライゼーション | |
パラメトリック・フィルター | 入力毎に 8/出力毎に 9 |
付加フィルター | 各入力に 28 バンド・グラフィック |
パラメトリック・レスポンス | 切り替え可能:バンドパス,オールパス,ノッチ,可変 Q,シェルフ,楕円 |
フェイス・フィルタリング | 各入出力に 2 度ステップで可能 |
クロスオーバー・フィルター | Bessel/Butterworth 6/12/18/24/48 dB/oct. および Linkwitz-Riley 12/24/48 dB/oct. |
ダイナミック EQ | 入力毎に 3 バンド |
パラメトリック動作 | 19.7 Hz 〜 32 kHz |
Q | 0.4 〜 128 |
最大自動ゲイン調整 | 18 dB |
最大レシオ(Cut Above モード) | 4:1 |
最大レシオ(それ以外のモード) | 2:1 |
アタック・タイム | 70 μs 〜 2.0 s |
リリース・タイム | 11 ms 〜 3.4 s |
コンプレッサー | 入力毎に 1 個 |
最大レシオ | 16:1 |
可変ニー | 12 ステップ+ Off(Hard) |
アタック・タイム | 70 μs 〜 2.0 s |
リリース・タイム | 11 ms 〜 3.4 s |
ミックス・マトリクス・モード | |
各出力へのインプット・センド | -40.0 dB 〜 -15.0 dB(0.1 dB ステップで連続可変)および OFF |
リミッター | |
スレッショルド | +22 dBu 〜 -10 dBu |
アタック・タイム | 0.3 〜 90 ms |
リリース・タイム | アタック・タイムの 4,8,16,32 倍 |
ルックアヘッド・アタック・タイム | クリップ/D-maxリミッター:Fast,Medium,Slow リリース・タイム |
コネクター | |
入力 | メス 3 ピン XLR |
出力 | オス 3 ピン XLR |
RS485 入出力 | XLR |
RS232 | メス D-sub 9 ピン |
電源 | IEC 3 ピン |
電源電圧 | AC 100 V |
消費電力 | < 40 W |
正味重量 | 3.5 kg(梱包重量 5 kg) |
寸法 | 44(1U)×482×305 mm(コネクター類を含まず) |
仕様は予告なく変更されることがあります。