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[RIEDEL]次世代ルーティング&インカムソリューション、カナダ・Scotiabank Arenaに導入
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![[RIEDEL]次世代ルーティング&インカムソリューション、カナダ・Scotiabank Arenaに導入](https://otaritec.co.jp/wp-content/uploads/2025/07/Riedel-SBA_01.png)
Riedel Communicationsは、カナダ・トロントのScotiabank Arenaにおいて、Riedelの分散型ルーティングシステム「MediorNet」および「Artistインカム・エコシステム」が導入されたことを発表しました。この導入は、システムインテグレーターであるMatrix Video Communications Corp.(MVCC)との協力により実現したもので、同アリーナの再構築プロジェクトの一環として行われました。
MediorNetは、アイスホッケーとバスケットボールのモードを切り替える際や、年間数百にのぼるイベントへの対応において、圧倒的な柔軟性とセットアップ時間の短縮を実現。また、Riedelのインカムシステム(Artist、Boleroワイヤレスベルトパック、SmartPanel)によって、現場のコミュニケーションはよりシンプルかつ強力になりました。
放送設備さながらの多用途アリーナに最適なソリューション
Scotiabank Arenaは、NHL(アイスホッケー)およびNBA(バスケットボール)の試合をはじめ、年間平均100件のコンサートや多種多様なイベントを開催する、北米でも有数の多目的アリーナです。館内には中央制御室が設けられ、テレビ放送と同様の手法でプロダクションが行われていますが、固定スタジオはなく、建物内のどこでも“スタジオ”として活用できる柔軟性を備えています。これにより、ワークフローや信号の送受信先が常に変化する中、ルーターを必要な場所に配置したいという要望が生まれました。
“ルーターを爆発させる”という発想から生まれた新設計
当初より、同施設では高評価を得ているRiedelのArtistおよびBoleroに注目していました。ルーティングの検討段階では、RiedelのDave Caulwellが「中枢ルーターを“爆発”させたようなもの」として「MicroN UHD」システムを紹介。この発想はすぐにチームの心を掴み、特定の場所にルーターを集約するのではなく、建物全体に分散配置できる柔軟な構造が高く評価されました。
12年使用した旧ルーターを、MicroN UHDに刷新
既存の12年使用されたSDIベースのルーターは、拡張のたびにカードやフレーム、専用機器が必要で、セットアップに時間がかかっていました。これに対し、MediorNet MicroN UHD TDMルーターは、分散構造により必要な場所に配置可能。今回の改修中もアリーナは通常営業を続けていたため、19台のMicroN UHDを段階的に導入することで、施設全体への影響を最小限に抑えつつ、最大限の柔軟性を確保しました。
“爆発型ルーター”による自由な配置と拡張性
設計チームはこの「分散型ルーター」発想をさらに推進し、通常ルーターを配置しないような場所――クローゼットの中、観客席の下、トラック連携エリアなど――にまで設置。必要な信号入出力数が限られている場所では、この方式が非常に有効で、各所に配置されたMicroN UHDノードは、メインのMediorNetネットワークに接続され、全館どこからでもアクセス可能となっています。
また、SmartPanelとの併用により、バスケットボールやホッケーなど異なるイベント仕様への切り替えも、ボタン一つでルーター設定やマルチビューア、トラック入力が即座に再構成できます。
高音質でノイズを排除するBoleroワイヤレスインカム
さらに、RiedelのArtistインカムとBoleroワイヤレスインカムもアリーナに導入され、クリアな音声と状況に応じた再構成のしやすさを両立。Boleroはノイズを排除し、スタジアム全体や単独での運用エリアにおいても高品質な音声を提供します。
「TDMを選んだことには意味がある」──将来のIP移行も視野に
「業界全体がIP化へと進んでいますが、そのペースは施設ごとに異なります。重要なのは、現行のインフラや建物構造に合った技術を選ぶことです」と、Riedel Communicationsカナダ地区営業マネージャーのPeter Tsegayeは語ります。
「今回、北米トップクラスのアリーナがIPではなくTDM(時間分割多重方式)を選んだことは非常に意義深く、MediorNet HorizoNによる将来的なIP移行も視野に入れつつ、現段階で最も適したソリューションを選んだ結果です」
Scotiabank Arenaの柔軟な運用を支える中核システムとして、RiedelのMediorNetとインカムソリューションは今後も活躍を続けます。

(2025年4月6日)
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