ウィーンのクラシック音楽専門録音スタジオ「tonzauber」LAWO mc²36を採用

2018年夏、有名なクラシック音楽向けスタジオ「tonzauber」社は、ウィーン・コンツェルトハウス内にあるメインのスタジオを補完すべくカジノ・バウムガルテンの施設内にさらにもう1つのスタジオをオープンさせました。この歴史的に重要で大規模な録音のために、屋外でモバイル用途にも使うことのできる96 kHz対応能力を備え、かつ小型でありながら柔軟なオペレーションが可能なミキシング・コンソールが必要でした。

サウンド・エンジニアで「tonzauber」社の創設者ゲオルク・ブルディチェク［Georg Burdicek］氏は熟考の末、24フェーダーのライブ音声制作用ミキシング・コンソールLAWO mc²36と拡張用としてLAWO Compact I/Oユニットを選びました。

「mc²36 は96 kHz運用においても5.1chミキシングとフレキシブルなバス構造を持つ、音楽制作や放送向けのあらゆる機能をオールインワンのシステムで提供する数少ないコンソールの1つです」とブルディチェク氏は説きます。

「他のシステムはライブサウンド指向だったり、技術的に旧式になっていたり、96 kHzを扱えなかったり外付けのDSPコアがあったりです。私たちにとっての必要事項はマシンルームのない新スタジオ内とモバイル用途のどちらにもコンソールを使うことができることでした。この基準を満たすのはLAWOのmc²36だけだったのです」

録音スタジオでの作業に他メーカー製コンソールも使いますが、ブルディチェク氏は長年にわたり制作会社「TVN」（ハノーバー）と協力して様々なOBトラック内のLAWO「mc²」コンソールを定期的に使ってきました：

「ライブとレコーディング用の便利な機能以外にも、LAWOにはその信頼性と妥協のない音質、評判の高いカスタマー・サポートに感心させられます。特にマイクロフォン・プリアンプは私の音の理想の極限にまで迫っています」と氏は言います──彼が意欲的で大掛かりな録音にLAWOを好む理由がこれです。

この選択がブルディチェク氏にとっていかに重要なものかを問われると次のように答えました：

「tonzauberは小さな会社ですが、その業務は極めて多角化されています。この新しいコンソールを手にしたことで、私たちは妥協のない技術を用いて極めて特別な歴史的な場所であるカジノ・バウムガルテンをアップグレードするだけではなく、当社のポートフォリオも放送用音声制作の方向に向けて拡充して行きます。ストリーミングの使用が増え、放送局にとっての社外サービス・プロバイダーとして、私たちは将来この分野を重要視することになるでしょう。LAWO mc²36によって、私たちは自らを堅実かつ柔軟なテクノロジーを持つサービスパートナーとして振る舞うことができます」

「洗練されたDAWとそのコントローラーの時代に、主に録音指向のレコーディングスタジオとして私たちがミキシングコンソールに投資を続ける理由を何度も尋ねられます」と同氏は付け加えます。「サービスプロバイダーとして私たちはできる限り柔軟である必要があります。言うまでもなく私たちはほとんどの時間をソフトウェアを使って作業しますし、私たちの顧客が好むプラットフォームを用います。しかしミキシングコンソールの利点は、その背後で起きていることをまったく知らなくて良いことにあります。一方で、制作にとって重要な音楽的なこと、すなわち音楽的なワークフローと人間工学はいつも変わりません」

事業者にとってミックスの完成までスタジオ内で主要な役割を果たすのは正にこの人間工学です：

制作チームは「触覚的な」ミキシングコンソールを使って作業することを今もなお好みます。

「私はコンソールをLAWO本社があるドイツ ラシュタットへmc²36を引き取りに行って、私の要求事項に合わせてコンソールを前もって最適に設定してくれるLAWOのチームの皆さんとまる1日を過ごすということができました」とブルディチェク氏は語ります。

「この小さなコンソールであっても私の要求にいかに簡単に、かつ柔軟に構成できるかについては今もなお驚きの念を禁じ得ません。このことはLAWOの持つシステム全体を考えた人間工学的なデザインの賜物です」