INSTALL REPORT 導入事例

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NEP Australia – CONTINENT-WIDE IP REMOTE PRODUCTION

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BROADCASTLAWO
NEP Australia

NEPはオーストラリア最大かつ最も経験を積んだ中継およびスタジオ収録を行う制作会社で、国内・国外のメジャーなスポーツ制作やスタジオ制作のための放送インフラを提供しています。
同社は毎年2,000時間以上のオーストラリアのテレビ放送の制作に関わっており、それには、スポーツの生中継(NRL[ナショナル・ラグビー・リーグ]AFL[オーストラリアン・フットボール・リーグ]クリケット、MotoGP、オーストラリアF1グランプリ)人気シリーズやドラマ(My Kitchen Rules、The Voice、Family Feud、The Chase、Australian Ninja Warrior)そして生のエンターテイメント/イベント番組(Dancing with the Stars、The Footy Show、例年のLogie賞授与式)など多岐にわたっています。
NEPは、ホスト放送や大掛かりなイベントでの技術的な専門知識を有し、2018年のゴールドコースト・コモンウェルス・ゲームズや2014年のG20ブリスベン・サミット、2014年のグラスゴー・コモンウェルス・ゲームズのような複雑なプロジェクトのマネジメントを行ったことでも国際的にも認知されています。

“当社のスポーツ放送規約に適う機動力があり、
新しいシステムはどんな規模のプロジェクトにも合わせて拡張可能で、
音声・映像、コミュニケーションとも良く一体化されるような、
IPに基づく柔軟なシステム環境を私たちは探し求めていました” 
 ─── マーク・セガー,NEP Australia社技術ディレクター 

このプロジェクトに含まれるLAWO機材:

IPコア・インフラ

  • V__matrixシステム×44式(CI、ストリーミング、MV用)
  • C100プロセシング・ブレード×180式 以上
  • 「UEFA AVステージボックス・コンセプト」:A__mic8/A__digital8(Total 12式)
  • V__remote4×12式(AV同期計測用)

制御

  • 新規 VSMシステム×6式
  • アップグレード対応 VSMシステム×7式

音声

  • mc²96コンソール×6式
  • mc²56コンソール×4式
  • mc²56コンソール・アップグレード×7式
  • crystal放送コンソール(バックアップ・ミキサー)×4式

オーストラリア全土にわたり、またそれを超えるIPリモート制作

2018年初頭、NEP Australiaは、自社のまったく新しいIPベースのオンラインリモート制作設備をセットアップして、スポーツ生中継放送の新時代の先駆けとなりました。そのセットアップとは、シドニーとメルボルンにあるNEPの新しい「アンドリュース・ハブ」のことで、オーストラリア初であり、また世界的に見ても技術的に最も進んだこの施設はIPを介して複数の同時スタジオ外放送を可能にするものです。

推進力
放送のビジネスモデルが変わってきています。人々はすべてのものをどこでもいつでも欲しがります。このトレンドに後れを取らないために、そしてFox Sports Australiaやその他の局が自らの才能ある人々と共により高い品質のコンテンツを制作できるようにするために、NEP Australiaは今まで積み重ねてきた運用の制約を打ち破ることを提案しました。「パースを例にしましょう:飛行機で行くのに1日、仕事をするのに1日、そして疲れで目を真っ赤にして帰宅します。つまり3日間出掛けていたことになります」とFox Sports Australia社のイノベーションおよびOBスペシャル・イベント長トッド・プロクター氏が説きます。

オーストラリアはアメリカとほぼ同じ大きさがあり、ほとんどの人は東海岸と西海岸に住んでいます。NEP Australiaは契約しているフリーランスの人々をどのようにどこで使ったかを分析して、新しいアプローチを提案しました。シドニーとメルボルンの新しいアンドリュース・ハブ施設の「誰もが何処ででも」という考え方とは、コメンテーターやカメラ・オペレーター、そして視聴者が現地からの「もの」として見るすべての中継ワークフローはなおもロケ先で行い、制作チームは会場から数百〜数千キロメートル離れたスタジオ施設で作業する、ということです。

NOC(Network Operation Center)および4つのコントロール・ルームとオーディオ・ルーム以外に、シドニーのアンドリュース・ハブは将来のコメンタリー用途向けの2つの小さなスタジオ・スペース(現在、コメンタリーは現地で付けられています)を含む多機能ルームをいくつか備えています。いくつかのスペースを局内コメンタリー用のバーチャル・アリーナに変えるためにAR(Augmented Reality:拡張現実)を使用する計画があります。このエフェクトのために2つの30 m²の部屋には照明グリッドやDMX等を装備しています。

その他の4つの多機能ルーム(7人用と4人用が2部屋ずつ)には必要に応じてCCUやオーバーフローEVSやグラフィクス、あるいはその他の機能を割り当てることができます。

“これはTV制作の未来です。
今後、どんな放送も「カバーできない」という
理由は無くなります。
これは誰にとっても簡単です。
放送は妥協を排したものであり、
もっと効率の良いものなのです” 
 ─── アーロン・ブラウンロウ,Fox Sports Australia社OBディレクター 

LAWO社CEO Phillip Lawoは次のようにコメントしています:

最初から、NEP社が2つの放送施設を必要としていたことは明らかでした。「HUB」と呼ばれるもので1つはシドニーに、もう1つはメルボルンに置かれます。両者の地理的な隔たり(約880キロメートル)にも関わらず、この2つのHUBは事実上単一のユニットとなります。なぜならすべてのリソースは共有されているからです。この共有アプローチはNEPのネットワークにつながっているすべての会場とロケーションにも及びます。

分散型IP制作フローのおかげで、制作チーム(EVSチームも同様に)はいくつかの都市に散らばっているオペレーターたちで構成でき、まるで同じ部屋の中にいるかのように一緒に仕事ができます。

「IPはこの分散型ワークフローをもたらすことができます。アンドリュース・ハブ・プロジェクトを現実のものにすることは、このプロジェクトに関わった全ベンダーと業界にとって画期的な変化でした」

NEP Australia社のマーク・セガー氏は次のようにコメントします:

「私たちがこのプロジェクトを開始したとき、IP技術はまだ規格化されておらず、現実のものでもなく、市場で入手できるものでもありませんでした。このプロジェクトは、現状に挑み、打ち破って前進するように放送業界を勇気づけました」

ごく速やかに行われた構築作業
NEP Australia社はわずか14ヶ月でシドニーとメルボルン2箇所のHUBと「iOB」トラック4台、そしてハイブリッド・セットアップ7つを作って機材を装備させました。Telstra、NEP Australia社が選んだ29箇所の会場へはBroadcast Services社が光ファイバー・ネットワーク接続を配備しました。これらの会場のいくつかは50Gbpsで接続されて圧縮なしで伝送しますが、他の会場では10GbpsとVC-2圧縮を用います。
Telstra社のDPN(Distributed Production Network)はアンドリュース・ハブのCAR[Cisco Access Registrar]に320Gbps接続を介して入ります。NEP社のダークファイバー・ネットワークとOptus社[オーストラリア第2の通信会社]への接続もあり、DPN外の別の会場へのアクセスが可能になっています。

ユーザー・エクスペリエンス

参加する全オペレーターが、今まで慣れ親しんだ操作環境・経験が得られるように、特別な注意が払われました。非圧縮のSMPTE ST 2110 IPデータによってHD画質はIPへの切り替え前よりも良くなっていると考えているオペレーターも何人かいます。さらに、保証したアップタイムを実現すべくネットワークはフルリダンダントであり、フルに監視モニタリングされています。

2017年10月21日のシドニーのANZスタジアムでの初試行イベントはいつもの慣れ親しんだライブ感覚を思い出させることに成功しました。実際の制作チームはシドニーのアンドリュース・ハブにいたのにも関わらず「コメンタリー、トークバック、EVS──すべては私たちがOBトラックの中にいるかのように機能しました」

2018年3月10日、シドニーのアンドリュース・ハブはFox Sports Australia社向けの生放送を初制作しました。それはパースで開催されたオーストラリア・サッカー連盟のAリーグの試合です。「パースとシドニーは4,000キロメートル離れていますので、これはかなり重要な画期的なプロジェクトでした。映像と音声と制御の各信号のIP伝送にSMPTE ST-2110を使い、今晩、私たちは生中継を行っていますが、それは4,000キロメートル離れたところからです。パースにあるのはカメラだけなのです」

OBトラック

他の国々の放送局やOBトラックはIPを装備したできる限りの小型バンへの切り替えを進めていますが、NEP Australia社はサイズを少しだけ落としたOBトラックを使うことに決めました。メルセデスベンツのSprinterバンは、最大限の柔軟性を要求する「誰もが何処ででも」のアプローチには小さすぎると判断されたのです。

この新しい「iOB」トラック(iはintelligentとIP)は全長13メートルであり、前世代のように幅が広がったりしません。その必要がないからです。「iOB」トラックは以前のOBトラックとはまったく異なる機材を搭載しています。光ケーブルは会場周辺で映像を送るのに使われ、Telstraから入ってくる6つのメイン光回線は会場とハブの間の映像と音声と制御データのすべてを配ります。2カ所のHUBは基本的にトラックがどこに停車していてもその完全なリモート・コントロールを実現しています。

完璧な調和の中での会議

全クルー・メンバーが同一線(ネットワーク)上で作業している事を確認するために、NEP Australia社は独自のビデオ会議システムを開発し、そしてHUBのあらゆる所と全OBトラック内にビデオ・カメラを設置しました。会場のカメラ・オペレーターたちは自分たちのリターン画面上でビデオ会議をフォローできます。「Meeting」キーは「基本的にすべての画面にディレクターのカメラを入れる」ように設定されており、あらゆるロケーションにいるすべての人員が確実に会議メンバーの一部でいられるようになっています。

音声制御とモニタリング

音声の全ストリームはミキシングとプロセシングのために会場からHUBに伝送されますが、コメンテーターたちが聴く送り返し信号はどんなに些細なタイムラグをも避けるために会場において直接作られます。OBトラック内のLAWO mc²56コンソールは、音声MCRとして機能するロケーションからたとえそれが数千キロメートル離れていても遠隔制御できます。さらにMCRの音声卓の隣の画面がロケ地のOBトラック内のフェーダー位置を表示します。逆に、ハブにいる音声エンジニアがシドニーで自分のmc²96コンソール上のフェーダーを動かすと、OBトラック内のコンソール上のフェーダーも連動します。

展望
NEP Australia社の次の動きは何でしょう?2018年3月初旬のアンドリュース・ハブ・プロジェクトの順調なスタートに続けて、マーク・セガー氏はすでに構想を持っていました:「ロサンゼルスと東京からのリモートプロダクションをやってみたいと思います。アジア太平洋地域をひとくくりの領域として捉えることは意義があります。私たちのリソースと人材を国際的にシェアできれば、何が達成できるでしょう」2018年4月下旬、NEP Australia社とTelstra Broadcast Services社は太平洋をまたぐ世界初のリモート制作を行ったと発表しました。
これにはTelstra社のDPN(Distributed Production Network)上の多様でヒットレスな10Gbps回路を介してつながれたロサンゼルス内の30本のHDカメラ・フィードが用いられ、制作はシドニーで行われました。

諸機能について

HUBプロジェクトの概要が定められると、LAWOのプロジェクトチームはIPルーティング&プロセシング・プラットフォームであるV__matrixを中心に据えてシステムを設計しました。V__matrixフレームはFPGAベースのプロセシングモジュールC100を搭載できるラックユニットで、このC100モジュールには必要とされる入出力ならびにエンベディング/ディエンベディングのためのオプションを装備しました。

LAWOの先進的なC100モジュールのおかげで、バーチャル・モジュールを活用した柔軟性のあるシステムを実現しています。

MADI→Ravenna/AES67変換は32系統までのMADIストリーム用にA__madi4ステージボックス8台によって実現します。
このセットアップ内で用いられた他の機材にはSony XVS8000制作スイッチャー、EVSの再生システム、Aristaのスパイン・リーフスイッチングによるネットワークインフラがあります。

LAWOのVSMブロードキャストコントローラーは全オペレーターに共通の洗練されたユーザー・インターフェイスを提供する包括的であり且つ組織化された制御ソリューションとなります。タブレット・コンピューターを使った簡単なドラッグ&ドロップで操作可能なマルチビューワーのレイアウトコンフィギュレーションをtheWALLマルチビューワーコントロールシステムが提供します。

オーストラリア内の29の会場で用いられているステージボックス・アプローチは、フランスでの欧州サッカー選手権(UEFA 2016)においてパリのIBC(International Broadcast Center)が全スタジアムからの信号をIPを介して監視して受けることができ、制作のあらゆる細部を遠隔的に制御することのできた、LAWOのテクノロジーに触発されたものです。

さらにNEPは自社の既存の主要制作機材を使い続けることを決めましたので、適切な変換ユニットが必要になりました。LAWOは、綿密に構成したV__matrixフレーム内のC100プロセシングモジュール(SDIからIP、および音声のディエンベディング)や、会場のA__mic8とA__digital8ステージボックス(両方とも音声)による接続や、メルボルンとシドニーのHUBのV__matrixフレームとC100 モジュールを混用することを提案しました。

NEPは6つのコントロール・ルーム内でLAWO mc²96音声卓を、加えてIPベースのOBトラック内ではmc²56音声卓を使用しています。

  • シドニーとメルボルンにあるネットワーク接続集中制作センター(HUB)
  • 接続された会場29ヶ所の会場
  • 集中制作HUBにはコントロール・ルーム7部屋
  • 新規のネットワーク接続IP OB(intelligent production outside broadcast)車両4台
  • フル装備の新規グリップ・トラック4台
  • ハイブリッドIPレイヤーを備えたアップグレード済みのトラック7台
  • 毎秒50 Gbitのフルリダンダントなネットワーク
  • 100% IP

NEP Australiaがアンドリュース・ハブ・プロジェクトに求めた機能のいくつかを紹介すると次のようになります:

  • サポートするフォーマット:映像とAES67音声とメタデータとタイムコード用の個別処理を行うVSF-TR03/04非圧縮をサポートとSMPTE ST-2110の採用
  • TR-03/ST-2110をサポートする全システム・インターフェイスは任意の音声入力信号を任意の映像ストリームへの音声/映像の自由なリマッピング
  • 様々な圧縮済みフォーマットをハンドリングできる能力:LAWOは自社開発によるJ2KおよびSMPTE2042 VC-2集信品質のエンコーディング・ソリューションを提案
  • 大規模システム1基、小規模システム4基、中規模システム2基、あるいは大規模システム1基+小規模システム1基に変更、またはそれぞれが独立して運用できる柔軟なシステム
  • 720p/1080i/1080p,24/25/50/60 fpsでの単一の大規模システムとしての運用、3Gbpsでの1,024入力と2,560出力に相当する容量を持つフォーマット
  • 256入力(そのうちの192はディエンベディングをサポート)と640出力(そのうちの512はエンベデッド・オーディオ、10個のマルチビューワー・ポート、ポート毎に32個のPiPをサポート)に相当するものを持ち、システム全体を自立システム4つに分割できる能力、さらに映像から独立してMADIストリーム8つを入出力する能力
  • リダンダント・コンフィギュレーションの少なくとも4つの放送ルーター制御システム、それらをより小規模なシステムに分けることが可能で、自動フェイルオーバーのためのリダンダントな運用も可能。タリーをサポート。全部で6台のVSMシステムが新たに設置され、既存の7台が更新
  • ソリューション内で提案された全コンポーネントは音声16チャンネルを扱うことが可能でTR-03推奨方法に従ってRavenna/AES67としてストリーミングされる

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