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NHKテクノロジーズ様 音声中継車T-2でPMC6スピーカーを導入

カテゴリー:
PMC
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NHKテクノロジーズ様 音声中継車T-2でPMC6スピーカーを導入


株式会社NHKテクノロジーズ様(東京都渋谷区)では音声中継車T-2の更新にあたり、ステレオモニタースピーカーとしてPMC社のPMC6を導入されました。導入の経緯などについて、同社メディア技術本部 制作技術部の寺田淳 氏、押田崇 氏にお話を伺いました。

右:株式会社NHKテクノロジーズ メディア技術本部 制作技術部(音声)CE 寺田淳 氏
左:株式会社NHKテクノロジーズ メディア技術本部 制作技術部(音声)押田崇 氏

Q. PMC6の導入に至った背景、経緯をお聞かせください

寺田氏「T-2音声中継車は主に、音楽番組の生放送や収録で使われる車です。先代が15年の運用を経て、装備や機器の劣化が進んできたところで、更新の計画が立ち上がりました。車体はそのままに、内装や装備機器のすべてを入れ替えることになり、車内のモニタースピーカーについては事前に試聴を実施し選定していこうということになりました。更新の為の解体工事が始まる前に、プロジェクトに関わるスタッフ4名で旧T-2音声中継車の車体を使い、数社のスピーカーを持ち込んで試聴検討を行いました」

音声中継車T-2 内部
音声中継車T-2 内部

Q. 検討を進められるなかで、PMC6を選定された理由をお聞かせください

寺田氏「モニターの選定基準として、一つはこれまでの音の傾向を大きくは変えないという想いもあり、旧T-2音声中継車で使用していたGENELECを選びました。もう一つ、使っていただくエンジニアさんがスピーカーを選択できるようにしたいということで選定を進めPMC6が候補に挙がり、試聴会では全員一致で、“これにしたいね”とPMC6を選択しました」

押田氏「PMCを見つけたきっかけは、今回の更新にあたってイマーシブオーディオに対応したいという意見が挙がりました。そこで”Dolby Atmos”と”スタジオスピーカー”で検索をしたところ、オタリテックさんがHPに掲載している、導入事例のページでPMCのスピーカーがスタジオに入っているという記事を読みまして、選択肢としてあるのかなと。また映画だけではなく、音楽スタジオにもPMCが導入されているという記事を目にして、これは一度聴いてみたいなと思いました」

押田氏「試聴して決定打となったのは、音質がナチュラルで、リファレンススピーカーとして適しているのではないかと感じたことです。我々がお届けする相手はテレビの視聴者で、ミックスした音がテレビ出力されます。ミックスした時は良かったけれど、テレビではあれ?ということにならないようにしたい。そこでPMC6を試聴したときに、この音でミックスすれば視聴者に意図した通りにお届けできるなと思いまして、それが決め手でした」

押田氏「もうひとつは、PMC6のリスニングポイントが広い点です。ある生放送番組では2~3人が横並びの体制でミックスを行うことがありますが、端の位置で作業をする場合は、頭の位置をずらしたりヘッドホンでミックスすることもあり得ます。それがPMC6だと、リスニングポイントが広いためそのまま作業をすることができるので、大きなメリットだと感じました」

寺田氏「音声中継車はスペースや構造の制限があり制作環境としては特殊だと思います。現在は放送制作がメインですので制作ジャンルはクラシック、古典芸能、ポップス、バラエティー番組など様々です。中継車という特殊な制作環境のなかで、PMC6は音がナチュラルで解像度が高いという基本性能はもちろんのこと、音のリスニングポイントが広く、定位が明確なので、音声中継車に向いていると思います」

株式会社NHKテクノロジーズ メディア技術本部 制作技術部(音声)CE 寺田淳 氏
株式会社NHKテクノロジーズ メディア技術本部 制作技術部(音声)CE 寺田淳 氏

Q. PMC6を音声中継車T-2で実際に使用いただいての、ご感想をお聞かせください

寺田氏「ある大規模な音楽番組生中継で、乗り込みで作業を行ったエンジニアさんからは非常に高い評価をいただきました。低域のスピード感、高域の伸び、音量を上げても歪みにくいのが良いねと」

押田氏「低音の鳴りが良いです。低音が空間でぼわつくのではなく、解像感高く前に来る印象です」

寺田氏「このインタビュー中も小さい音量で音楽を出していますけど、すごくバランスがいいですね。エンジニアさんによってモニター音量は違いますが、音量の違いによりバランスが崩れないのが特徴だと思います」

押田氏「大きい音で聞いていてレベルが分からなくなったときは、音量を下げてバランスが整っているかどうかを確認します。そのときに定位が崩れてしまうとやっぱり問題なので、そこが揃っているというのは重要だと思います」

寺田氏「PMC6はユーザーの目線で設計されていると感じます。中継車はスペースに制限があります。PMC6はフロントにLOWの出口、ポートがありますが、ポートが後方にあると狭い空間では影響が大きく、設置位置に制限が生まれてしまいます。また、PMC6に内蔵されているWallモードに設定すればすぐ後ろに壁があっても影響を最小限にする事が出来ます。さらに横置き、縦置きのモード切替により最適な音を出力してくれるなど、ユーザーの様々なシチュエーションを想定して設計されていて、ユーザーの目線で作られてると感じます」

寺田氏「一方で、試聴会の際に立ち会っていただいたセールスエンジニアさんから、設計思想としてDSPに頼らずスピーカーのアコースティックに重きを置いていると伺いました。PMC6をDSP補正せず素の状態で聴かせて頂いた時も、バランスよく音が鳴っていました。スピーカー自体の基本性能がしっかりしているからこそ、DSPの本来の目的である補正機能により、更に良好な結果が得られるのだと思います」

株式会社NHKテクノロジーズ メディア技術本部 制作技術部(音声)押田崇 氏

Q. 今後のご予定、展望などをお聞かせください

寺田氏「まずはT-2音声中継車を多くの方に利用していただきたいと考えています。その中でPMC6も是非使っていただきたいです。このT-2音声中継車は5.1.4chのイマーシブオーディオ制作や96kHzのハイレゾ制作が可能です。従来の放送制作だけではなくライブ配信制作でもご活用いただけます。またリモートプロダクションにも対応可能で、次世代の音声制作の取り組みにも積極的に活用していきたいと考えています」

押田氏「イマーシブオーディオとライブ配信は弊社として積極的に取り組んでいる分野です。PMCを使ったイマーシブオーディオのモニター環境は今後是非試してみたいです」

※所属部署、役職等については、取材当時のものです。

音声中継車T-2 内部



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