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『ヨーロピアン・チャンピオンシップ・ミュンヘン2022』の通信、放送、イベントのIT支援をRIEDELが担当
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RIEDEL Communicationsは、8月11日から21日までミュンヘンで開催された『ヨーロピアン・チャンピオンシップ・ミュンヘン2022』において通信、放送とイベントのIT支援を、ミュンヘン2022・組織委員会(LOC)へ提供しました。RIEDELのエンジニアは1600kmを超えるファイバーを敷設してイベントに向けたネットワークインフラを構築し、同社のMediorNet分散型プラットフォームで信号のルーティングとプロセシングを行いました。また、ArtistデジタルマトリクスとBoleroワイヤレスインカムシステムは、制作クルーに信頼性の高いコミュニケーションを提供しました。
ヨーロッパ選手権は、ヨーロッパの主要なスポーツ選手権が一つのマルチスポーツイベントとして統合されたもので、ドイツで開催された1972年の夏季オリンピック以来、最大級のイベントとなりました。 50カ国から4,000人以上のアスリートが参加し、オリンピック9競技175種目のメダル獲得を目指して競い合いました。組織委員会(LOC)がホストブロードキャスターを務めた11日間のイベントは、ミュンヘンのオリンピックパークに加え、ケーニヒスプラッツ広場やオデオン広場など、市内各所で開催されました。 公式の開会式は通常のオープニングセレモニーとは異なり、MarteriaやMOOP MAMAをはじめとしたアーティストたちがオリンピックパークから、ミュンヘン内外のファンやスポーツ愛好家たちに向けてパフォーマンスを行うという華やかなフェスティバルとなりました。
Riedel Communicationsのグローバルイベント担当役員であるMarc Schneider氏は、次のように述べています。
「組織委員会(LOC)は予算と相談しながらも、ミュンヘンでの認知度観客動員数、国内での数百万人の視聴者数について、非常に大きな目標を掲げていましたが、柔軟性と拡張性に優れたMediorNet IPとArtistの組み合わせにより、データ、インカム、映像、音声伝送にコスト効率の高い統一ソリューションを実現し、すべての会場をひとつの包括的なネットワークに接続することができました」
また、RIEDELのシニア・プロジェクト・マネージャーであるFelix Demandt氏は付け加えます。
「2022年のヨーロピアン・チャンピオンシップでは、RIEDELの技術が通信、放送、ITを支援しましたが、これらはどれも同じように重要で、すべてのパートが連携しながら同じインフラで稼働しています。 インカムで会話する、A地点からB地点に信号を送る、インターネットを使う、スケジュールをプリントアウトするなど、制作スタッフがどのように情報をやりとりしても、当社のソリューションが深く関わっていました」
オリンピックパークでは制作エリア、メディア/プレスエリア、解説エリアに3本の10Gbitインターネット回線を分配し、300以上のアクセスポイントを持つWLANを提供しました。制作スタッフのコミュニケーションには、10台のArtist-64と11台のArtist-1024で構成されるArtistデジタルマトリクスインカムネットワークを導入し、コントロール用のSmartPanel x 450台を各コントロールルームに設置しました。 Artistプラットフォームは、RIEDELのBoleroワイヤレス・インカムシステムとシームレスに統合されており、イベントとホストプロダクションのエリアには400台以上のBoleroワイヤレスベルトパックと168個のBoleroアンテナで構成されていました。さらに、このプロジェクトでは 2,500台の無線機が使用され、RIEDELは9台のTETRA無線システムを設置してサポートしました。
RIEDELのMediorNetは、ヨーロピアン・チャンピオンシップにおける信号伝送の中心部でした。このシステムは、MicroNとMicroN UHDを含む250以上のノードと、メディア信号処理およびSDI-IP変換用の11台のVirtUで構成されていました。テクニカル・オペレーション・センター (TOC) で集中管理されたこのシステムは、国際放送センター(IBC)やオリンピック公園会場にいる放送有権者に信号を供給するために使用されました。また、一方行の信号とホストラインは、ダーク ファイバーを介して冗長化された接続で外部会場に送信されました。これらの各会場には 4人のRIEDELエンジニアが常駐し、観客向けのイベント制作を担当しました。
「ヨーロピアン・チャンピオンシップは1年半以上前から計画され、ミュンヘンで96人のスタッフで構成されるチームを成功に導きました」
とDemand氏は話しています。
「通信用のITバックボーンだけでも600台を超えるスイッチで構成され、会場ごとに20~25台のMediorNetノードが必要であり、大規模な会場ではさらに多くのノードが必要でした。さらにBoleroとArtist SmartPanelの構成は事前に管理する必要があり、大変な作業でした」
「幸いなことに、私たちのシステムはヴッパータールにあるRIEDELオペレーションセンター(ROC)に接続されていたため、追加のノウハウを得たり、また本社からリソースにアクセスすることができました。そして、結果は物語っています。組織委員会(LOC)はこのイベントで大成功を収め、制作クルーに信頼性の高い通信とインターネット接続を提供することができました。 また200ギガビットの帯域幅により、放送局は自宅の観客にイベントを配信する際、驚くほどの柔軟性を提供することができました」
(2022.11.29)