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『ヨーロピアン・チャンピオンシップ・ミュンヘン2022』 開催 – EMGはライブ放送にあたってLawo AoIPインフラストラクチャを採用
ドイツ南部のミュンヘンで8月11日から21日まで開催された『ヨーロピアン・チャンピオンシップ・ミュンヘン2022』。
ヨーロピアン・チャンピオンシップは2018年に第1回が開催された新しいスポーツイベントで陸上、自転車、卓球、ビーチバレー、トライアスロン、カヌースプリント、ボート、体操、スポーツクライミングの9つの競技大会を、一つの総合競技大会として開催するもの。ミュンヘンにあるオリンピック公園で開催されたイベントとしては、1972年のオリンピック以来最大規模で、欧州の36か国から4700人以上アスリートが集い、競技に臨みました。
本大会のライブ放送は、スポーツや文化イベントのライブ放送における放送技術やメディア・ソリューションを提供する世界最大のプロバイダーの1つ「EMG」が担当。EMGはライブ放送にあたって、LawoのAoIPセットアップを使用しました。
ミュンヘンのオリンピック・スタジアムにある国際放送センター(IBC)内の9つのコントロール・ルーム(ギャラリー)と会場用の1つのギャラリーには、Lawo mc²56 mkIII プロダクションコンソールが装備され、スタジアム(陸上、BMX、マウンテンバイク)、オリンピア公園(メダル式典)、オリンピアハレ(体操)、およびリモート会場の音声制作を担当しました。
mc²56 mkIIIはSMPTE 2110、AES67/RAVENNA、DANTE(ゲートウェイのPower Core経由)、MADI、Ember+をネイティブに対応しています。ローカルのI/Oで直接接続が可能です。直感的なHOME機能を備えた、1Uサイズでソフトウェア定義のA__UHDオーディオエンジンを搭載し、 1つのプロセッシングコアあたり最大1,024のDSPチャンネルを複数のコンソールで共有することができます。このプーリングオプションは、ECMのインストール全体に適用されました。すべてのミキシングコンソールに必要な処理能力は、専用のオーディオコアの代わりに、冗長化構成を組んだ8台の共有A__UHDオーディオエンジンのクラスターから得て、柔軟なDSP割り当てと信頼性をサポートしました。
さらにセキュリティを高めるため、冗長化された6台のサーバーからなるクラスターにDockerコンテナを設置し、オーディオミキサーのミラーリングされたソフトウェアをホスティングしています。そのため、万が一ギャラリーに不具合が生じても、システム全体が機能し、オーディオミキシングもコンソール外で処理することができるのです。
音声の供給には、30台以上の Lawo AoIPステージボックスのA__line WAN対応AoIP ノードがセットアップされました。採用されたのは A__stage64とA__stage48 のクラスターで、トーナメントと ECMイベント専用のA__madi4、A__madi6、A__mic8 ユニットでした。マルチビューワーヘッド130台として、Lawo C100ブレード35台が使用されました。
EMGのMulticamオーディオエンジニアであるGuy Haegeman氏は、次のように述べています。
「ヨーロピアン・チャンピオンシップにおけるEMGのスポーツプロダクションサービスは、確かに傑出したイベントでした。多くのトーナメントが並行して進行していて、私たちは1つの場所で様々なスポットから、あるいは様々な場所でそれらをカバーしなければなりませんでした。つまり、イベント期間中は膨大な数の並行配信をモニターし、切り替え、制作する必要があったのです。 ミュンヘンでのプランニングをする際、私たちはmc²コンソールとA__UHDコアを備え、かつネットワーク化された Lawo AoIPソリューションを選択しました。すべてのギャラリーとネットワーク接続されたA__UHDオーディオ・エンジンのクラスターは、制作における土壇場の変更も管理しやすくしてくれました。トラブルが起こったとき、Lawoチームはいつでもわれわれの味方で、必要なときはいつでもサポートをしてくれましたよ!」
さらに、コメンタリー音声のインフラは完全に Lawo製でした。合計65台のLawo LCUコメンタリーユニットは、1LCUにつき最大3人のコメンテーターに直感的なユーザー・インターフェースを提供し、Lawo品質のマイクプリアンプと非圧縮(24 ビット/48kHz)リアルタイムAudio-over-IPによって妥協のないオーディオ品質を保証しました。
EMGについて
EMGは、欧州マーケットにおける放送およびオーディオ/ビジュアルサービスのリーディングプロバイダー。独自のノウハウと世界に名だたる専門知識を組み合わせ、最高の技術レベルで効率的なワークフローのための信頼できるソリューションを開拓しています。スポーツ(ツール・ド・フランス、ライダーカップ、FIFAワールドカップ、UEFAヨーロッパ選手権、F1)、ライブ番組(ユーロビジョン、MTVアワード、BRITアワード、ロイヤルイベント)、エンターテインメント系番組(The Voice、マスターシェフ、Xファクター)などの主要国際イベントの重要なパートナー。多様なスタジオを持ち、ヨーロッパで最大級の中継車を保有しています。
mc²56 mkII 製品ページ
https://otaritec.co.jp/product/mc%c2%b256-a-global-standard-re-defined/