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INSTALL REPORT 導入事例

「GMOサムライスタジオ 用賀」にVSMを導入 
マルチベンダー機器の統合制御と運用効率化を実現 

カテゴリー:
BROADCASTLAWO
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「GMOサムライスタジオ 用賀」にVSMを導入  <br>マルチベンダー機器の統合制御と運用効率化を実現 

オタリテックでは、GMOサムライコンテンツスタジオ様が運営する撮影・収録スタジオ「GMOサムライスタジオ 用賀」の設備補強・リニューアルにあたり、独LAWO社のブロードキャストコントロールシステム(以下、BCC)「VSM」(Virtual Studio Manager ※以下、VSM)を導入。同スタジオの持つマルチベンダー特性をフルに引き出す統合制御機能、GMO様の運用ベースに沿った柔軟性のあるUIカスタマイズ性などを高くご評価いただいています。今回は、導入の経緯から導入後の評価、今後に向けた要望などについて、GMOサムライスタジオ株式会社 テクニカルユニット テクニカルコーディネーターの寺井赳博氏にお話いただきました。 

スタジオ設備更新の背景と、メーカーの異なる放送機器を制御する課題

「GMOサムライスタジオ 用賀」がオープンしたのが2024年3月。以降、社内イベントやYouTube生放送など様々な場面で活用されてきました。
一方、オープンから1年半以上が経過した段階で、運用における課題がいくつか見えてきたそうです。中でも大きな課題となったのが、スタジオ機材のマルチベンダー環境に伴う制御の難しさでした。

「カメラやスイッチャーなど各セクションで求めるパフォーマンスに合わせて異なるメーカーの製品を選定する必要があるため、システムとして組み上げるにあたり、単一メーカーでの統一は困難です。機器ごとに個別のソフトウェアやパネルで操作することとなり、映像遅延調整などを含むイベントごとの設定変更、物理パッチ作業に時間と手間がかかるなど、準備や運用の複雑化が課題となっていました」(寺井氏)

配信サービスを提供する上で重視したのは安定的な運用であり、冗長性が担保されたスタジオ設備の強靭化を計画。その核となるシステムとして選定されたのが、オタリテックの取り扱うLAWOのブロードキャストコントローラー「VSM」でした。

GMOサムライスタジオ株式会社
テクニカルユニット テクニカルコーディネーター 寺井赳博氏

メーカーの異なる放送機器の統合制御にLAWO「VSM」を選んだ理由

「GMOサムライスタジオ 用賀」スタジオ設備更新にあたり、最大のテーマとなっていたのが「マルチベンダー環境におけるスムーズな統合制御の実現」です。スタジオ設備の強靭化に向けて、冗長性強化を含めた設備整備を行うにあたり、それら機材を束ね、統括的な管理が行えるBCCの採用は必須条件。その上でLAWO「VSM」を選んでいただいた要因は、多くのメーカー機材をつなぎこめる懐の広さと柔軟性、そして、ユーザーごとの使い勝手を大きく向上させる「UIのカスタマイズ性」だったと言います。

「『GMOサムライスタジオ 用賀』で採用している機材との接続性を考慮すると、すべてに対応できるポテンシャルを持っていたのが『VSM』でした。他社のBCCでは非対応の機材を含んでいるケース、またコスト面で割高感が否めなかったケースがあったことも事実です。そして何より、『InterBEE2025』のオタリテックブースで見て惹かれたのが高い自由度を持つUIカスタマイズ性でした」(寺井氏)

「GMOサムライスタジオ 用賀」のサブルームに導入されたLAWO「VSM」のGUI。レイアウトの検討に当たっては、実際にオペレーションを担うスタッフのスケッチも交えながら、現場の声に寄り添った検討が重ねられた。

LAWO VSM

フロアとの行き来がしやすい場所に設けられたサブルーム。今後は、拠点間をまたぐ制御システムの構築など、さらなる展開も視野に入れている。

(写真上・下)サブルームに隣接するサーバールーム

複雑なタリー信号制御をIP上で一元化

「VSM」が持つUIカスタマイズ性が活かされたポイントは多岐にわたりますが、寺井氏が特に評価しているのが「タリー信号制御のロジック」です。

「メインとなるスイッチャーのタリーだけではなく、エマージェンシー発生時におけるルーター側のタリーを切り替えるロジックの組み立て、別線切り替え用のグリーンタリー生成、バーチャルシステム運用時のアンドタリー点灯など、更新前のスタジオサブでは大規模なシステムが必要でした。『VSM』導入により、それら信号制御がすべてIP上で行えるようになって運用性が大きく向上したほか、物理的なハードウェアが不要になったことで大幅な省スペース化を実現することができました」(寺井氏)

スタジオ構築時の経緯からマルチベンダー環境が採用されていた「GMOサムライスタジオ 用賀」では、スイッチャーとルーターの製造元が異なることも含めて接続性が難解で、各ベンダーサイドでも接続に苦労していたようです。特にタリー制御は複雑で、オタリテック技術者によるフルカスタマイズが必要となりました。

「ハードウェアでは複雑だった仕組みをすべてIPに落とし込んで制御できる点は『VSM』の大きな特徴。筐体の置き場所やケーブル数の削減も含めて『VSM』の能力を生かすことができたと考えています」(オタリテック(株)テクニカルDept.ソリューションエンジニアリングDiv.第1チーム・綱島浩二)

オタリテック(株)テクニカルDept.
ソリューションエンジニアリングDiv.第1チーム 綱島浩二

24系統の映像遅延調整を1クリック化。
最大3時間の作業を約30分へ、83.3%の時間短縮を実現

もうひとつ、寺井氏が挙げてくれたのが調整にかかる手間の削減です。「GMOサムライスタジオ 用賀」ではXRなどの遅延が発生する信号を取り扱うため、更新前の仕組みでは複数の遅延調整に数時間単位の準備時間を必要としていました。
「VSM」を導入した「GMOサムライスタジオ 用賀」では、ビデオディレイを一斉に調整できるシステムを新たに構築。文字通り1クリックでの調整操作が可能となり、作業時間は30分程度で終了するところまで短縮したそうです。

「素材数が24系統あるため、従来システムではかなりの数のパネルを物理的に作業することになったと思います。それがGUI上のパットで1クリック操作できるようになったのはかなり大きな作業効率向上につながっています。タリー制御も含めて、1枚のUIにまとめていただいているため、作業担当が見やすく設定できる点も高評価できる点です」(寺井氏)

各機器専用のページを作るなどのメーカー依存ではなく、マルチベンダー環境において統合的に制御が行える「VSM」の大きなメリットと言えます。

「BCCがなければ、各メーカーのUIを通じてそれぞれ調整する必要があり、それはもはや手間というレベルではなく不可能の段階。その上、『VSM』は音声系の制御も可能なため、スピーカー制御やボリューム調整も1枚のパネルで処理できます」(寺井氏)

加えて、TSLタリーだけではなく、トラディショナルな接点系にも対応しており、それも含めてシームレスな対応ができるのが「VSM」の特長のひとつ。

「確実に動かせる接点への対応は安定性向上という点でも大きい。制御したい機能がプロトコル非対応でメーカーのソフトウェアでしか制御できない場合でも、接点制御があれば対応できる場面はまだ多い。VSMはプロトコル制御に加えて接点制御(GPI/O)にも対応し、GUIパネルやハードウェアのボタンパネルからも操作できます。こうしたトラディショナルな制御手段を備えていることは、実運用において非常に重要です」(オタリテック 綱島)

複雑で手間がかかる作業を1クリック・1タッチでできるようになったことで、調整時間を含めたスタジオ全体の設営時間が大幅に削減されました。これにより、二重チェックの徹底などがより行いやすくなり、事故のない安定した運用においても効果を発揮しているそうです。

異なるメーカーの機器をつなぐ、オタリテックの技術力への評価

GMOの寺井氏は、今回の「VSM」導入における一連の流れの中で「オタリテックのサポート体制」を高く評価しています。

今回の「GMOサムライスタジオ 用賀」のリニューアルは設計開始から1年弱でカットオーバーという非常にタイトなスケジュールでした。結果的に、機器のつなぎ込みを含めた洗い出し作業など本来は時間が必要な作業を短期間で実施することになりましたが、

「検証機を取り寄せての確認作業など裏で動いてもらっていた部分を含め、オタリテックさんには大変お世話になりました」(寺井氏)

実際、オタリテックではスタジオ運用で使用する製造元の異なるあらゆる機器など、多種多様なプロトコルが混在するマルチベンダー環境の中で、国内外の事例をもとに制御可能性を徹底検証。一部カメラ制御においてはVSMの標準機能にはGMO様が求める制御項目が含まれておらず、メーカーからプロトコルリストを直接取得した上でカスタム開発の見積もり・調整を行い、実機テスト版での検証を経てカメラ連動制御を実現しました。

こうした現場での経験は、設計を担当した弊社の技術者にとっても素晴らしい機会となりました。

「動かないものを設定する意味はありません。機器制御の作り込みなどトライする部分も多くありましたが、それも含めて価値のあるプロジェクトとなりました」(オタリテック(株)テクニカルDept. プロダクトエンジニアリングDiv.第2チーム・高橋未那美)

既設設備のリニューアルであり、工事が始まるまで運用自体も続いているという環境の中で、スムーズにオープンまで進めることができたことは、オタリテックにとっても素晴らしい実績となりました。

オタリテック(株)テクニカルDept.
プロダクトエンジニアリングDiv.第2チーム 高橋未那美

オタリテック(株)セールス&マーケティングDept.
ブロードキャストソリューションDiv. 米山佳之

導入後も進化するシステム、複数拠点を見据えた将来構想

「GMOサムライスタジオ 用賀」は2026年6月1日、無事リニューアルオープンしましたが、「VSM」を本格的に運用していくにあたり、新たな課題が浮かび上がったケースなどに備えて現在でも対応が続いています。

「オープンまでの準備期間を第一フェーズとするならば、運用開始後の現在は第二フェーズ。使ってみてわかること、足りないことなどへの対応を含め、現在進行形で最終形態を目指している段階です」(オタリテック 綱島)

電源系統などトラブルがクリティカルになりかねないアラーム関連のシステム強化など、第二フェーズで追加された機能は複数存在します。

「電源系のトラブルの発生場所が一目でわかるようになり、専用ページに飛んでくれることですぐに対応できるようになったため、実際の障害発生時においても電源再投入によって異常を回避することができました。こうした事例も含め、実際に触ってみてから気が付くことも少なくないため、導入後にも丁寧に対応してくれるサポート体制にはとても助かっています」(寺井氏)

来年には「GMOサムライスタジオ 渋谷」のオープンが予定されており、拠点間をまたぐ制御システムの構築などを含めた新たな展開の可能性を視野に入れているという寺井氏。

「メインサーバーを用賀に配置し、ネットワーク上からエッジサーバーとして渋谷が制御できるようになれば、コスト面も効率面もかなり向上します。現状、そこまでの構想には至っていませんが、今回『VSM』を採用したシステム構築を経て、そうした展開も考えられるようになりました」(寺井氏)

最後に、「VSM」導入後の評価について、寺井氏にまとめてもらいました。

「マルチベンダー環境における統合制御を最重要テーマとしつつ、タリー制御やID表示、メーカーによってバラバラなソフトウェアの一元管理などを課題としていた中で、それらすべてをクリアしてもらえました。加えて、素案として提出したGUIを元にUIをカスタマイズしていただき、運用者として使いやすいシステムを構築していただきました。現在も続くサポート体制を含め、今後のスタジオ構築にも活かせる素晴らしいシステムを提供していただいたと考えています」(寺井氏)

導入先施設について
大規模イベントとハイブリッド配信に対応する
「GMOサムライスタジオ 用賀」

「GMOサムライスタジオ 用賀」(写真提供:GMOインターネットグループ)
「GMOサムライスタジオ 用賀」
(写真提供:GMOサムライコンテンツスタジオ株式会社)

大規模イベントとハイブリッド配信に対応するフラッグシップスタジオ

多くのお客様を会場に迎えるリアルイベントとオンライン配信を組み合わせたハイブリッド運営に適した総合スタジオです。受付から出演者待機、本番、交流会までイベントの全⼯程を同⼀施設内で完結でき、100名程度のイベント、株主総会、新商品発表会などに対応します。

施設・設備の主な特長

国内最大級・約500インチの壁面LEDと床面LEDを常設。大型LEDを活用したXR撮影・配信や、プロユース機材による高品質な撮影・収録・ライブ配信が可能です。控室・ラウンジ・会議室も完備し、企画から技術、進行、当日の運営までワンストップでサポートします。

「GMO サムライスタジオ 用賀」
[スタジオ利⽤に関するお問い合わせ先]
GMOサムライコンテンツスタジオ株式会社
https://www.samurai-studio.gmo/contact/

お問い合わせ

LAWOの導入やデモについてのご相談は、お気軽にお問い合わせください。

インタビュー:高瀬徹朗
撮影:山野浩司
発行元:オタリテック株式会社
取材協力:GMOサムライスタジオ株式会社 寺井赳博氏

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