2019-08-16(原文掲載:2019-07-02)

中国最大の放送局「CCTV」は4K/UHDおよびIP化への取り組みの一環として,LAWO『mc²96』を同国初導入

4K/UHDおよびIP化への意欲的な取り組みの一環として,中国最大のTV放送局「CCTV」はLAWO社のフラッグシップ・コンソール『mc²96』を使用する同国初の放送局となりました。

この音声卓は北京にあるCCTVのNo.8 Studioにシステム・インテグレーター「NDT Group」によって設置されました。

このプロジェクトは,CCTVとしてはIP技術を用いて4K/UHDにアップグレードした2番目のスタジオとなりました。No.8 Studio内の『mc²96』とさらに2台のLAWO『mc²』シリーズ・コンソールはCCTVのためにすでにLAWO社が行った3つのAoIPプロジェクトの次の段階のものとなっており,LAWO社のAoIPソリューションが国際的放送局という注目される舞台で安全性と安定性を実証しています。

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『mc²96』

「CCTVのNo8 Studioの音声システムの改修は私たちの長年のパートナーNDTによるもので,2019年の1月中旬に完了しました」とLAWO社システム・エンジニアSam Zhangが語ります。「完了すると直ぐに大きなミッションが与えられました。《CCTV春節聯歓晩会》の放送です。これは130億人が観る旧暦の大晦日の最大の生番組です。No.8 Studioは4K/UHD信号を制作し,《春節聯歓晩会》が初めて4Kで放送されました。この新しいシステムは仕事を完璧にこなしました」

「CCTVのオーディオ・エンジニアの方々は躊躇することなくAoIPを選びました。というのも彼らはIPが未来であることを信じ,LAWOを信頼しているからです」とLAWO社北京支店のシステム・エンジニアBai Shiが付け加えます。

沢山の音楽番組やフルバンドがここで収録されますので,No.8 Studio用の新しい音声システムは放送用の56フェーダーの『mc²96』,FOH用の32フェーダーの『mc²56』,モニター用の40フェーダーの『mc²36』による3台の『mc²』コンソールによって構成されます。これらのコンソールは<300個以上のアナログおよびAES3の信号フィード>と<2台のIPスイッチを介した10個のMADIフィード>を共有します。また,LAWO『Power Core』リモート制作ソリューション5台と『A__madi4』ユニット2台がベースバンド信号をRAVENNA/AES67ストリームに変換し、またその逆の変換も行います。AoIPがなければ,このように多数の信号を受け付けることは困難であると同時に多額の費用がかかるものとなるでしょう。

CCTVは運用の信頼性を極めて重要視しており,『mc²96』と『mc²56』のHDコアは両方ともリダンダント可能なDSPおよびルーター・カードを装備しています。『mc²96』はバックアップのFOHフィードも提供しますが,『mc²56』は対応するライブのバックアップ・フィードをもたらします。

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『mc²56』

No.8 StudioのRAVENNA/AES67ストリームのすべてはLAWO社が採用したSMPTE ST2022-7ヒットレス・マージ・プロトコルによって保護されており,2つの同一IPネットワークがシステム・リダンダンシーを実現しています。『Power Core』は『mc²96』と『mc²56』のHDコアを接続するのに用いるMADI入出力も提供します。万一これらのスイッチが不調になった場合,両方のミキシング・コンソールはボタンの1押しで重要な信号をMADIを介して『Power Core』からも受けることができます。

No.8 Studioの各機がマイク入力を32個備えた5台の『Power Core』ステージボックスのうちの2台はフライトケースに収められてスタジオ内に置かれており,全アナログ信号はカッパー・マルチコア・ケーブルの代替として光ファイバーを介してスタジオ内から音声機材室へ供給されます。このため50メートルの距離を伝送しても音質が劣化することはありません。

音声機材室内の残りの3台の『Power Core』はワイヤレス・マイクやEFX,VTR,EVS,EXTの各信号用にアナログおよびAES3入出力を提供するのに用いられます。2台のLAWO『A__madi4』ユニットは,Avid HD-MADIオーディオ・インターフェイスを介して,スタジオの2台のAvid Pro Tools HD2ワークステーション用のAoIPインターフェイスとして機能します。

SMPTE 2110準拠のIP音声バックボーンに基づく『A_madi4』は,LAWO社のオーディオ・インターフェイス『A__line』の一員で,分散配置での接続能力を持ち,ネットワーク化されたシステム内での音声入出力容量を一時的にも恒久的にも拡大可能ですのでCCTVの要求事項の変更に容易に対応できます。また本機はSFP同軸接続を用いた2基のMADIポートをサポートし,ストリーミングと制御のための2基のデュアル・メディアRJ45/SFP 100/1000Base-Tイーサネット・ポートを備えます。

2台の『A_madi4』ユニットは音声システム用のPTP(Precision Time Protocol)クロック・マスターとしても機能しています:スタジオの映像システムからワードクロックを受けてそれをAoIPネットワーク用にPTPに変換します。

「私たちは『A_madi4』が優れたPTPグランド・マスター機材であることを見出しました」とSam Zhang。「単体のPTPグランド・マスターとしては設計されてはいませんが,AoIPプロジェクトをいくつか終えるうちに,この製品がPTPグランド・マスターとして完璧に動作することに気付いたのです。現在,このスタジオは日々の通常作業──ほとんどは歌手と楽団がいる音楽番組です──を扱っています。CCTVのオーディオ・エンジニアの方々はこの新しいシステムに満足しています。強力で柔軟であるだけではなく,ルックスも素晴らしいですからね」

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『mc²36』