2017-09-28

LAWO『mc²96』を使用した 3D の《Rock in Rio》

1985 年の最初のイベントで 1,500 万人を魅了した《Rock in Rio》は世界最大の音楽フェスティバルの 1 つです。ブラジルのリオデジャネイロで始まったこのフェスティバルは,今までにリスボンやマドリッドやラスベガスも巡回してきました。増加するライブ観客の増加に応えて「Globosat」社によるテレビ放送が行われていますが,今年,LAWO『mc²96』大型制作コンソールが初めて大規模な音楽フェスティバルに使われました。

Globosat 社はラテンアメリカ最大のペイ TV 事業者で,ブラジル全体で 1,500 万世帯の 4,500 万人の視聴者を擁する同国のマーケット・リーダーです。『mc²96』コンソールの使用はこのイベントのために LAWO が提供した機材とサポートとトレーニングのレンタル・パッケージの一部でした。

《Rock in Rio 2017》はリオのバーハ・オリンピック・パークにおいて 10 日間にわたって繰り広げられ,「Palco Mundo」ステージには Guns N’ Roses,Red Hot Chili Peppers,Bon Jovi,Aerosmith,Justin Timberlake,Maroon 5,「Sunset」ステージには Sepultura,Ceelo Green,Nile Rodgers & Chic といった大物が登場しました。1985 年の Queen,George Benson,Rod Stewart,AC/DC,Yes を筆頭に,Prince,George Michael,Neil Young,Stevie Wonder,Muse,Foo Fighters といった超大物出演者というこのフェスティバルの伝統は保たれています。

ラテンアメリカのシステム・インテグレーターで LAWO パートナーの「LineUp Broadcast Systems」社を通じて,LAWO は Globosat 社に RAVENNA,AES,MADI の各カードを搭載した 40 フェーダーの『mc²96』をサンプル・レート・コンバーター 1 台とコンソール用の『Compact Core』1 台と共に提供しました。このコンソールは RAVENNA を使用して LAWO『Nova73』ルーターと一体化されました。このセットアップは昨夏の競技大会をバーハ・オリンピック・パークから放送するために Globosat 社が投資した設備を利用できました。

「2015 年に一部の視聴者向けに 4K と Atmos での最初の生放送を行いましたが,今回は新しいミキシングのアイディアを試していて,いくつかの楽器を 3D 配置して,とても面白い結果が得られています」と Globosat 社オーディオ・コーディネーター Gabriel Thomazini 氏が説きます。

「《Rock in Rio》フェスティバルのために 14 キロ離れた私たちの本社のリモート・ミキシング・ルームを使う特別なワークフローを開発しました」と氏は続けます。「Mundo ステージから 128 入力チャンネルを,Sunset ステージから 64 入力チャンネルを受け,プロダクションを切り替えるだけでどちらのステージをミックスしたいかを選んでいました。伝送には LAWO『V_link』と RAVENNA ベースのストリームを使いました」。

LAWO『V_pro8』8 チャンネル・ビデオ・プロセッサーは,Blackmagic Design HyperDeck Shuttle SSD レコーダーとシステムのエンベッダーに HD SDI を供給するのに用いられました。

「《Rock in Rio》はこの新しい大型制作コンソール『mc²96』を使ってミックスする最初の機会を私たちに与えてくれました」と Thomazini 氏は熱っぽく語ります。「これは『mc²36』と『mc²56 MkII』と同じシステムに基づいていますが,Dolby Atmos のようなイマーシブ・オーディオ・フォーマットを扱える興味深い能力が追加されています。私たちは Dolby エンコーダーにイマーシブなコンテンツを供給するために 9.1(5.1.4)でミキシングしていますが,このコンソールは例えばエンコーダー出力からの特定のモニタリング経路を構成するのに必要な柔軟さを持ち合わせています。ユーザー・ボタンを 1 つ設定するだけで,5.1.4 と 5.1 とステレオにエンコードした後の結果をチェックできます。『mc²96』には専用のモニタリング・セクションと 3D パンニングのアップ/ダウン制御によって進歩した点がいくつかあります。

「私たちのミックスを支援する上でこのコンソールの Waves の一体化は不可欠です」と氏は付け加えます。「プラグインを使うことでエンジニアたちにサウンドの新たな可能性とミキシング技法を提供できます。私たちは自動ルーティングやラックのコンフィギュレーションとパラメーターの呼び出しを利用して各制作専用のセットアップを作ることができます」。

Globosat 社のセットアップは,64 トラックの Dante および MADI 搭載マルチトラック・オーディオ・レコーダー Sound Devices model 970 の 1 ペアも使用し,音声モニタリングは Genelec 社のシステムが扱いました。「私たちのモニタリング・システムは完全にコアキシャル・スピーカーに基づいています」と Thomazini 氏は説明します。「高さ情報用に新型の Genelec 8341A モニターを 4 台,そして 8351A スピーカーとサブウーファー 1 台からなる 5.1 システムを 1 つ使っています。GLM 3.0 ソフトウェアの新バージョンを使ってこのセットアップのアライメントを行いました」。

《Rock in Rio》の放送音声ミックスへのイマーシブなアプローチをサポートするために Globosat 社は Sennheiser からの支援も受けました。「Sennheiser さんは Esfera マイクロフォン・システムと 3D Ambeo コンセプトに基づく新たな Cube セットアップによって群衆ノイズを捉えるのを手伝ってくださいました」と同氏。「既成概念を打ち破る別のアプローチをもたらしてくれることが私には重要です。サウンドや群衆に囲まれるのは驚きですよ。是非聴いて頂きたいです」。

「Globosat さんは LAWO の技術を活用して効率を最大限に高めていらっしゃいます。また特にこのプロジェクトでは当社のブラジル・パートナー「Line Up」さんによるとても効率の良いサポートが嬉しかったです」と LAWO のブラジル担当セールス・ディレクター Chas Rowden。「Globosat さんは技術面でも運用面でも非常に洗練されていて,ご自身のビジョンや目標にマッチする製品を早くから積極的に採り入れていらっしゃいます。《Rock in Rio》のようなプロジェクトを実現できるのも自由闊達な意見交換と議論のできる素晴らしい関係あってのことです」。