2017-08-03

ポーランド,ヴロツワフでの《World Games 2017》のホスト放送局 ATM 社,LAWO インフラをライブ IP リモート制作に使用

ドイツのテクノロジー・パイオニア LAWO 社製機材のリモート放送制作経歴にはポーランド初のライブ IP 制作《World Games 2017》も記入されました。今回ヴロツワフで開催されたこの《ワールドゲームズ》は「第2のオリンピック」と呼ばれることも多く,伝統的なオリンピックでは採用されていない数多くのスポーツが取り上げられています。この大会では 112 箇国からの 3,500 人の選手たちが競い合い,50 箇国からの 700 人のジャーナリストたちが競技をリポートしました。

131 箇国にわたる地球規模の膨大な視聴者のために,ポーランドの企業「ATM System」(ATM Grupa SA の技術リソースの一員)が IBC(国際放送センター)と大会のすべての会場において放送リソースを供給する任務を負いました。

ホスト放送局としてスタジオ外放送イベントにテレビ制作サービスと技術サポートを提供する ATM System 社は契約した他の OB バン会社と共に,自社の全 OB 車両隊を現地に展開しました。それ以外に,今までの9回の大会で役割を果たしてきた9つの SNG(Satellite News Gathering)システムとそのオペレーターならびに IBC への衛星リンクが,この新たな IP ベースのリモート制作モデルで置換されました。

2016 年の IBC ショーにおいてリモート作業の可能性を探ってから,ATM System は 2017 年の春に LAWO のポーランドのパートナー企業に発注を行い,公式な委託よりも前にこのイベントのための技術的な準備作業を開始したのでした。LAWO 製の実証済みリモート制作製品およびコンセプトを使うことを必要とするこの大会向けのセットアップは,事実上,昨年のメジャーなヨーロッパ・サッカー・トーナメントで使われたものの小型化バージョンでした──「リモート・ラック」は映像/音声フィードを収集するために様々な会場に配置され,フィードを IBC にルーティングし,そこからフィードは SDI を介して中央のルーターに送られます。

このソリューションには多数の LAWO 機材(『V__remote4』と『A__mic8』)や Arista7150S-24 スイッチ,そして総合的な制御のためのデュアルサーバーの『VSM』(Virtual Studio Manager)システムが含まれました。ポーランドの2つのパートナー,LAWO 機材を供給して試験とロジスティクスを担当した「LP Systems」ならびに『VSM』システムを提供した「4Vision」と,共に緊密に作業して,LAWO のスペシャリストたちがシステムのコンフィギュレーションと試験と納入を行い,その後,同システムはセットアップとイベント開催中に LP Systems やその他の全参加企業からのスタッフによってサポートされました。

OB バンで端を発したシグナル・フローは LAWO の「会場リモート・ラック」に送られ,そこから IBC の LAWO「メイン・ラック」に供給され,次いでそれは IBC の中央映像ルーターによって収集されます。13 箇所の会場で現地の OB バンにリンクされて,全部で9個の「リモート・ラック」が使われました。内訳は『V__remote4』と『A__mic8』をそれぞれ1ペア持つラックが2個,『V__remote4』2台と『A__mic8』1台入ったラックが2個,『V__remote4』と『A__mic8』が1台ずつ入ったラックが5個です。

『A__mic8』はインターカム・システムのためにアナログ音声を IBC へのネットワークに供給し,リターン・ルート上にそれを取り出しました。IBC 内では,インターカムは MADI を介して『V__remote4』ユニットの1台に連結され,IBC と遠隔会場間の双方向音声経路は RAVENNA/AES67 ストリームを介して扱われました。会場側では OB バンとの間の音声入出力のアナログ・リンクは『A__mic8』によって確立されました。

これらの『V__remote4』ユニットは「クリーン」な国際フィードならびに付加的な統計データやグラフィクスを伝送する「ダーティー」なフィードからなる国際映像信号を供給しました。IBC から,これらは6台の『V__remote4』を介して HD-SDI として映像ルーターに送られ,片方向に分配されました。また,『V__remote4』の SMPTE 2022-7 ヒットレス・マージ機能と組み合わせて2本のデータ回線を使うことによって真のネットワーク・リダンダンシーを実現できました。

この大会は今ではポーランドのスポーツ史においてロジスティクス的に最も難しい取り組みであると見なされていますが,IP ベースのリモート放送制作への移行によって,テレビ放送は大幅に簡略化され改善されました。

「Video-over-IP および Audio-over-IP インターフェイスを備えた IP ベースのラックを介する信号収集,ならびに管理されたデータ回線を介する信号伝送を用いたことが,従来の技術と較べて相当な利点をもたらしました」と LAWO プロジェクト・マネージャー Martin Körner は語ります。

「かなりコスト効率が良くなったこと以外に,代替手段として LAWO ラックと 10 ギガビットのデータ回線のレンタルを使ったことには,衛星のときと較べてデータ回線がいつでも利用できるというさらなる利点がありました。この LAWO のセットアップは IBC からの集中的な遠隔制御と監視も可能にして,操作の簡単さと低いコストという付加的な恩恵ももたらしました」。

この新しいリモート制作モデルを用いて ATM System は IWGA(国際ワールドゲームズ協会)のためにワールドゲームズの全会場からの 429 時間にわたる生放送を成功裏に制作・配信しました。

また,ATM System の片務的パートナーとして本大会を放送したワルシャワの「Television Polsat」へのヴロツワフの IBC からの信号伝送に『V__remote4』ユニットの2ペアが使用されました。8本の HD-SDI ストリーム(J2K 圧縮)を送るのに2個の1ギガビット接続が使われました。

写真(左から右に):
Martin Körner(Lawo Project Manager),Marius Szulc(ATM System CTO),Pawel Mathia(LP Systems CEO)