2017-06-14

シンガポール MediaCorp,LAWO システムを新施設に大量導入

シンガポールに本拠を置くテレビ/ラジオ放送やインタラクティブ・メディア,映画制作,メディア出版の分野で活動するコングロマリット「MediaCorp」は,大規模な新制作センター「MediaCorp Campus」への移転を完了しました。そこで技術的な運営を支えるのが,LAWO 製の音声ミキシング卓と音声ルーターと制御システムを含む完全に更新されたハードウェアとインフラです。

この新施設の2つの制作スタジオと3つのテレビ・ニュース・スタジオと1つのラジオ・マスター・コントロール・ルーム用に,全部で『mc²56』音声制作コンソール5台,『mc²36』オーディオ・コンソール1台,『Nova73 HD』ルーター1台,『Nova73 Compact』コア・ルーター2台,大規模な『VSM』(Virtual Studio Manager)制御/監視システム,およびその他のハードウェアが設置されました。
LAWO システムを『VSM』と組み合わせることの利点には DSN(Distributed Studio Networking)や,スタジオ内のワークフローを簡単に扱えることがあります。中央の多数のリソース(テレフォン・ハイブリッド,ディエンベッダー,RX 回線等)を共有すると,各スタジオは自らのローカルなリソースに加えてそれらも利用でき,このように全リソースを活用することで運用の柔軟性と効率が大いに高まります──『VSM』からのシンプルなキー押しですべてのものに直感的にアクセスして操作できます。

テレビ/ニュース制作スタジオ
MediaCorp のニュース部門は上記アプローチを採用していますが若干の機能強化を行いました。ニュース編集エリアはシンガポールで使われている4つの主要言語(タミル語,マレー語,中国語,英語)をカバーする4つの FlashCam ポジションからなり,最高8本のマイクと4系統のリターン回線をサポートする LAWO『A__mic8』Audio-to-IP ユニットを装備しています。これら4つのポジションは任意のスタジオやスタジオのコントロール・ルームに自由に割り当てできます。ニュース制作スタジオは LAWO の技術的な検討を大いに必要としました。というのも,ここのワークフローは柔軟かつ迅速な行動を求める顧客の要望にピッタリと合わせる必要があったからです。
大きいものと中程度のものの2つの制作スタジオに『mc²56』音声卓が設置されました。大きいスタジオが 64 フェーダーの『mc²56』(ライン入出力×16,AES 入出力×8,GPIO×8,『Compact I/O』×4)1台で,中サイズのスタジオが 48 フェーダーの『mc²56』(ライン入出力×16,GPIO×8,『Compact I/O』×3)1台です。各『Compact I/O』はマイク/ライン入力×32,ライン出力×32,AES 入出力×8,GPIO×8を備えます。両方の『mc²56』コンソールには 270 の DSP チャンネルと RAVENNA 4ポート・カード3枚を備えた『Compact Core』が1台伴っています。
『mc²56』からの信号は 256 チャンネルのタイライン容量を持つ中央の『Nova 73 HD』にルーティングされます。この『Nova 73 HD』はスタジオ機材室内にあり,全スタジオにわたる入出力用の集中ルーターとして,また信号分配の制御を提供するものとして機能し,リダンダントな制御システムと 128 系統の AES 入出力,16 基の MADI ポート,16 基の RAVENNA ポートを備えます。インターカム・システムや HDD レコーダーや補助機材への接続は中サイズ・スタジオ内の『Nova 73 Compact』を介して行われます。大きい方のスタジオの場合は,スタジオ機材室内にある『Nova 73 HD』が3つの MADI ポートを使ってそれを担当します。さらに,LAWO『V__pro 8』1台が HD/SDI 信号からの音声のエンベディング/ディエンベディングに使われ,ルーターからアクセスされます。4系統の MADI リンクが「Toggle」スタジオを『Nova73 HD』コアに接続しています──「Toggle」は MediaCorp の付加的なコンテンツをストリーミングするアプリ・サービスで,VOD のような放送に伴います。

テレビ・ニュース・スタジオ
さらに,この新しいキャンパスには,中央のスタジオ機材室内の『Nova 73 HD』ルーターに接続された(リダンダントなデュアルスター・アーキテクチャーを用いて)3つの専用施設を持つテレビ・ニュース・スタジオがあります。
Studio 1 に設置されたのが 48 フェーダーの『mc²56』コンソール(ライン出力×16,AES 入出力×8,GPIO×8,『DALLIS』(Digital Audio Line Level Interface System),『Nova 73 Compact I/O』)1台と,音声の共有のために RAVENNA 接続を用いる『A_mic 8』4台です。Studio 2 の卓は 32 フェーダーの『mc²56』(ライン出力×16,AES 入出力×8,GPIO×8,『DALLIS』インターフェイス,『Nova 73 Compact I/O』)です。Studio 3 には 32 フェーダーの『mc²56』コンソール(ライン出力×16,AES 入出力×8,GPIO×8,『DALLIS』ユニット×2,『Nova 73 compact I/O』)が1台あります。FlashCam スタジオ用には 16 フェーダーの『mc²36』コンソール(マイク/ライン入力×32,ライン出力×32,AES 入出力×8,GPIO×8,ヘッドフォン・モニタリング)が1台あります。
新テレビ・スタジオ内の LAWO の全音声機材とインターカム・システムは,RAVENNA を用いる FlashCam スタジオを除いて,MADI を介して接続されます。
この施設内の全音声信号は『VSM』制御システムを使ってコントロールされますが,Viz Mosart 放送オートメーションを用いて LAWO コンソールを遠隔的に管理することも可能です。各システムはそれぞれ専用のカンファレンス・リソース(ハイブリッドや Skype コーデック等)を持ちますが,中央のルーターに物理的に接続され,各コンソールに『VSM』を介して簡単かつ迅速に割り当てできる共有リソースのプールがありますので,より高い柔軟性と効率が得られます。
さらに,新オフィス内の4つの FlashCam ロケーションは4台のミキシング・コンソールのそれぞれに柔軟かつ簡単に割り当てできます。
このニュース用システムは年中無休でオンエアに使われ,LAWO の確立されたシステム安定性および信頼性に頼っています。

ラジオ・マスター・コントロール・ルーム
このマスター・コントロール・ルームは,『Nova 73 Compact』音声ルーター2台,MADI 接続とのリダンダント・マスター・カード(マスター・カード1枚が第1の『Nova 73』に接続され,リダンダント・マスター・カード1枚が第2の『Nova 73』に接続されます)を備えた『Nova17』入出力ブレークアウト・ボックス6台を装備します。リダンダンシーは完全自動で,局の放送信号経路の一部で無音が検出されると機能するようになっています。さらに,『Nova 17』ルーター1台が TX ルーターとして使われます──スタジオの全出力は第1の『Nova 73』から,そして AES を介して第2の『Nova 73』から,この『Nova17』TX にルーティングされます。アクティブなルーターに応じて,対応するスタジオ出力が伝送ラインにルーティングされます。あるスタジオ出力に無音が検出されると,有効な音声信号があるならば『VSM』がリダンダントなカードへの切り替えを発令します。
TCP/IP バックボーン上で動作することで,『VSM』が総合的な制御システムに関連する全機材とパラメーターへのアクセスを提供します。異なるプロトコル(『Nova HD』を制御する MONPL を含む)を用いて,『VSM』はすべてのクロスポイントとパラメーターに直接アクセスします。『VSM』には『Nova』ルーターの一部である洗練されたリダンダンシー・コンセプトも使われており,『VSM』は Mother-Mother コンフィギュレーションを持つ2台のリダンダント・サーバー上で動作します。直感的に操作できるように,『VSM』システム用に『LBP 17』押しボタンパネル4基と『LBP 50e』押しボタンパネル1基が設けてあります。