2017-03-28

シンガポールの Mediacorp 新スタジオで制御を司る LAWO の『VSM』

シンガポールに本拠を置く放送局「Mediacorp」は自らの7つのテレビおよび 12 のラジオ・チャンネルのための全制作設備を収容する新たな巨大複合施設「Mediapolis」に移転しました。

施設全体にわたる総合的な制御ソリューションを提供する LAWO『VSM』放送制御/監視システムがこの運用インフラの重要部分となっています。

『VSM』システムの洗練されたリダンダンシーが,番組準備の柔軟性,ワークフロー管理,時間短縮をサポートして Mediacorp に高水準の安全性を与えます。

音声と映像のスイッチングを扱うのがこの施設の2台のリダンダント(Miranda)ルーター。これらは直接に接続されていてマスターやバックアップ階層構造なしに同時に切り替わり,マスター/マスターの同等基準で動作。VSM システムは2台のルーターに欠かせない同期を確保し,大きな長所を2つもたらします。その1つはルーター1台の保守が制作スケジュールを妨げることなくオフラインで実行できること。2つ目は各ルーターが万一の故障の際にはもう片方の「バックアップ」ルーターとして機能することです。

Mediapolis のスタジオ・コンプレックスは Central,Radio,TV,News の4部門に分かれています。Central セクションはさらに CMX(取り込み),DC(Distribution/Contribution),Playout の3つのエリアに区分されます。DC セクションは『VSM』の Virtual Package Workflow を用いて,実際に入力されてくるソース(OB やダウンリンクから)をバーチャル・ソースにできるようにして,施設全体内でそのようなものとして利用可能にします。信号経路内のデバイスが1台故障してもバーチャル信号は途絶せず,装置を切り替えたり交換しても信号の流れは手つかずのまま保たれます。

『VSM』はその Virtual Package Workflow に洗練されたユーザー権限管理を追加して,バーチャル・レイヤーをオペレーター・コンフィギュレーションの個々人の権限に応じて施設全体を通じて利用可能にします。資格のあるスタッフだけが認められた権限に応じて信号にアクセスできます。

『VSM』とその制御ロジックを用いることによって Mediacorp には大きな利点と時間の節約ももたらされます。以前,オペレーターたちは DC 長にタイラインをつなぐことを求めなくてはなりませんでしたが,今ではタイラインを事前に選択して(制作の直前であれ十分に先だってであれ)それを制作ワークフローとして保存できます。制作がスケジュールに載ったらオペレーターは自分のワークフロー・コンフィギュレーションを1クリックで読み込ませて制作準備を整えることができます。

TV セクションのスタジオでは『VSM』のまた別の特別機能「Boxing」を活用しています。これによって制作を準備のためや故障の際に,あるスタジオから別のスタジオへ移動させることができます。Boxing を使えばオペレーターはあるスタジオ内で制作を準備し,保存しておいたそのワークフローをボタンの1押しで切り替えて別のスタジオから再生することができます。同様に機材の故障の場合もオペレーターは制作ワークフローをあるスタジオから別のスタジオへ即座に切り替え可能です。

この施設の Radio セクションでは,並列動作する2台の LAWO『Nova 73』オーディオ・ルーターを用いて同じリダンダンシー・コンセプトが実現されています。12 のラジオ局(およびバックアップの2つ)では『VSM』は総合的制御および監視システムとなって,2台のリダンダント・ルーターのクロスポイントの同期を保ち,伝送経路の監視や無音検出や警報管理等の機能も行います。この他にツールには指定時刻にセットされるクロスポイントを準備するためのスケジューラーもあります──ソフトウェア・コントロール・パネル2つとハードウェア・コントロール・パネル2つを用いて,『VSM』は全伝送経路を制御できます。『VSM』の TX コントロール・パネルを使ってオペレーターは利用可能な全伝送経路の信号経路全体を一目で見て取れることができ,利用可能性や問題や故障に応じてスタジオとリソースを自由に割り当てて信号経路内のより基本的な事項にアクセスできます。

Mediacorp の施設は送出のための7つの TV チャンネルと 12 のラジオ局を持つことになります。運用の第一段階では4つの TV チャンネルは 2017 年2月からこのシステムを送出に使っています。